ミック経済研究所は2017年11月22日、業務自動化製品市場を手法別に捉えたマーケティングレポート「RPAが牽引する業務自動化ソリューションの市場動向 2017年度版」(2017年10月発刊)の概要を発表した。RPA製品は、2016年度の42億円から2017年度では173億円へと、対前年比約412%と大幅伸長した。RPAが、業務自動化製品市場全体を引き上げる。
ミック経済研究所のレポートでは、業務自動化製品の主要3カテゴリーとして、(1)RPA(Robotic Process Automation)、(2)BPM(Business Process Management)、(3)BRMS(Business Rule Management System)を挙げ、それぞれの市場について解説している。
これらの位置づけとして、BPMは、業務プロセス全体の可視化・定義を行う。BPMを基盤に、RPAで自動化した業務と、人手による業務をつなぐ。BRMSは、ビジネスプロセス内で判定を要する箇所で使い、自動化や生産性を継続的に改善する。
(1)RPA製品は、2016年度の42億円から2017年度では173億円へと、対前年比約412%と大幅伸長した。RPAが、業務自動化製品市場全体を引き上げる。
RPA市場は、コンサルティングが全体の48%近くを占めており、顧客へRPAの必要性や重要性を説き、実需に結びつけている。
SI(導入支援・開発など)は、全体の29%前後を占めている。SIerは、RPAのライセンス売上だけでは事業が成り立たないため、業務の見直しや効率化にスポットを当ててSIの収益源にする。
ライセンスは、全体の18%程度を占める。2017年度は、海外製品の本格参入が重なり、ソフトウェアベンダー各社は大幅増を計画している。
(2)BPM製品市場は、2016年度が29.1億円で、2017年度は見込み35.1億円、対前年比で120.6%と堅調に推移する。
ライセンスが、全体の72~73%を占める。BPMは、RPA領域では、人とロボット双方の作業を可視化、統合管理する位置づけにある。BPMは今後、RPAと連携した製品によって市場の拡大が見込まれる。
(3)BRMS製品市場は、2016年度が23.6億円で、2017年度は見込み30.4億円、対前年比128.8%と堅調に推移する。
ERPのフロント製品や会計システム、購買プロセスのWeb対応化、ワークフローにおける承認前プロセスなど、適用用途も拡がっている。今後、BRMSも、RPAとの連携製品により、自動化処理範囲を拡げていく。
なお、「RPAが牽引する業務自動化ソリューションの市場動向 2017年度版」は、業務自動化製品を提供するソフトウェア製品ベンダー、SIer、コンサルティング会社29社を調査したマーケティングレポートである。業務自動化市場として、2016年度から2018年度まで主要3製品の集計・分析を行い、各々の市場動向を考察している。調査期間は2017年8月~2017年10月。