NECのグループ会社であるNECソリューションイノベータは2018年4月18日、同社が運用する2万台規模のVDI(Virtual Desktop Infrastructure)に対応したバックアップシステムを導入したことを発表した。バックアップ基盤は、Commvaultで構築した。
NECグループの中核SI会社であったNECソフトが、NECシステムテクノロジーや地域ソフト子会社を統合する形で2014年に誕生したのがNECソリューションイノベータ。同社は、ワークスタイル変革や情報漏洩対策の一環としてNECソフト時代に導入していた仮想PC型のシンクライアント環境を、Windows 7からWindows 10へ段階的に移行するプロジェクトを2017年に開始している。。
シンクライアント環境といえども、操作ミスやランサムウェア被害などによるデータ損失のリスクは存在する。従来よりその対策としてバックアップサービスを導入していたが、今回のOS移行に伴い、将来10万台まで拡大する大規模運用に耐えうるシステムであること、利便性を向上させながらバックアップ・リストアにかかる運用負荷を軽減し運用コストを削減できるシステムであるという条件を備えた新たなバックアップ基盤を構築することにした。
バックアップ環境構築を手がけたNIS事業本部プラットフォームサービス事業部によると、上記条件に加え、PC利用者が管理部門にデータ復旧を依頼するのではなく利用者自身がリストアできる点、設定変更を効率的に行える点、GUIベースで操作性が良い点などが評価されてCommvaultを採用した。
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2018年3月現在、バックアップが実施されたのは約6千台。バックアップデータは合計72TBに上るが、Commvaultの重複排除機能によってストレージの実使用量は10TB程度に収まっているという。PC1台あたりのデータ量は、メールデータなど10GBから20GB程度で、増分データだけを処理する1回のバックアップ時間は3分未満。バックアップの成功率は99.97%で、エラーがあっても1日あたり、6千台あるうちの1~2台程度ですんでいるという。