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NEC、PLMソフト新版「Obbligato III R4.3」、ベテラン技術者の暗黙知をAIで形式知化

2018年6月15日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECは2018年6月14日、設計図面・仕様書・部品表などの製品技術情報を一元管理するPLM(製品ライフサイクル管理)ソフトの新版「Obbligato III R4.3」(オブリガートスリー)を発表、同日付けで販売を開始した。新たに、AIで設計を支援する機能をオプションで追加した。2018年12月に提供開始する。価格(税別)は、360万円から。販売目標は、今後3年間で計150社。

 Obbligatoシリーズは、PLMソフトである。設計図面や部品表を管理する機能を中核に、文書管理、部品表管理、オーダー管理、コスト管理など、各種の機能で構成する。特徴は、製品のライフサイクル全般を通してコストを管理できること。企画設計段階から部品や材料の原価を管理し、為替レートや構成部品の変動による原価シミュレーションなどができる。

 今回、設計をAIで支援するオプション機能「Obbligato AI Option」を追加した。ディープラーニングを利用したデータ解析ソフト「RAPID機械学習」を使ってベテラン技術者の勘と経験を可視化することによって、経験の浅い技術者をナビゲーションする。技術者の習熟度のばらつきによる設計品質の低下を防ぎ、経験の浅い設計技術者を早期に立ち上げられるようにする。

 具体的には、ベテラン技術者が製品や部品を設計する際に、どのような技術情報(図面や仕様書)を検索、参照、更新したかの操作履歴(ログ)を蓄積し、AIが学習して可視化する。経験の浅い技術者が設計する過程や、製品や部品に応じて、PLMに蓄積した膨大な技術情報の中からおすすめの参考情報を提示して設計作業を支援する。

 新版では、基本機能も強化した。例えば、データベースの選択肢を広げ、これまで使えていたOracle Databaseだけでなく、オープンソースのPostgreSQLを使えるようにした。ユーザーの環境に合わせてデータベースを選択できるため、低コストでシステムを構築・運用できるようになった。また、工程設計などを行う生産技術者の利用シナリオを検証することによって、BOP管理における操作性を高めたとしている。

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