東芝デジタルソリューションズと順風路は2018年7月12日、小型の車両を用い、利用者の要望に応じて、その都度運行ルートやダイヤを設定し、乗り合って運行する“乗合いオンデマンド交通”システムを強化する施策として、需要予測にAIを活用する実証実験を開始したと発表した。
順風路は、東京大学と共同で、乗合いオンデマンド交通システム「コンビニクル」を開発し、2009年から稼働を続けている。顧客がスマートフォンアプリや電話を使って乗降車場所と時間を伝えると、運行計画(ルート、スケジュール、乗車人数など)を自動で設定するシステムである。
コンビニクルは、2018年6月現在、全国42箇所で毎日150台ほどの車両が運行し、毎月約6万5000人が利用している。タクシーよりも安価でバスよりも便利な交通手段だとしている。
今回の実証実験では、需要予測によって、効率的な運行計画を立てられるようにする。順風路が約9年間の運行実績で収集したデータに、気象情報・交通情報などの外部環境データを統合し、東芝デジタルソリューションズのAI分析基盤 「SATLYS(サトリス)」を用いて需要を予測する。
需要予測では、数週間程度先までの乗降車場所や時間・人数の需要を予測する。予測した需要を地図上で可視化することで、配車数の事前調整などに活用する。さらに、需要を見込んだイベントなど、街づくりの活性化の検証も行う。