IBM Watsonの実績を持つSIベンダーのエス・アンド・アイ(S&I)と、コンタクトセンター事業を提供するフィナンシャル・エージェンシー(FA)の2社は2018年7月25日、コンタクトセンター向けに、通話内容をテキスト化するクラウドサービス「AI Speech Transcription Service(仮):エーアイ・スピーチ・トランスクリプション・サービス」を発表した。2018年10月から提供する。
AI Speech Transcription Serviceは、コンタクトセンターの通話内容をテキストに書き起こすサービスである。クラウド型で提供する。保険業務のコンタクトセンターサービスを多く請け負うFAの経験をもとに設計した。テキスト化した会話内容を可視化する画面では、会話をチャット形式で表示したり、禁則ワードなど特定の文言で検索したりできる。
会話音声をテキスト化するエンジンには、IBM Watsonの「Watson Speech to Text」を利用する。顧客とエージェントの会話から、言葉の意図を正しく理解し、高い精度でテキスト化するとしている。
学習データも提供する。FAがコンタクトセンター事業で培ったノウハウと、実際にFA社内で利用しているデータを基に、S&Iの専門チーム「CORPUS factory(コーパス・ファクトリー)」が作成を支援した学習データ「インバウンド/アウトバウンド業務の学習データセット」を提供する。保険業界に特化したFAQなども盛り込んで提供する。ユーザーの業務内容に合わせた学習データの作成も支援する。
FAでは、AI Speech Transcription Serviceを自社が持つ国内8カ所のコンタクトセンターなどで利用する。これにより、品質管理業務にあてる時間を年間1万5360時間短縮し、特定の業務においては最大80%の時間を短縮できると試算している。