電通国際情報サービス(ISID)は2018年8月1日、手書きの文字をAIで認識可能なOCR(光学文字認識)ソフトウェア「DX Suite(ディーエックス スイート)」(開発元:AI inside)の販売を開始すると発表した。金融機関に向けて、RPA(ロボットによる業務自動化)とAI-OCRを組み合わせて提供する意向である。
AI insideの「DX Suite」は、ディープラーニングを活用した画像認識技術と、文章の前後関係を判定する自然言語解析を組み合わせた、AI-OCRソフトである。従来のOCRでは読み取りが困難な手書きの書類や、読み取り時にズレや罫線などを含んだ画像についても、高精度に認識できるとしている。また、機密性の高い書類については、読み取る過程で情報を分離して匿名化して管理することもできる。
電通国際情報サービス(ISID)は、金融機関向けのシステム構築を数多く手がけているほか、2017年からはRPAを活用して企業の業務の効率化を支援している。金融業務とRPAのノウハウに今回AI-OCRを組み合わせることで、金融機関を中心に業務をより効率化できるようになるとしている。
製品販売の背景についてISIDは、RPAの障壁として、紙で取り扱われることが多い契約書類やアンケート、会議資料などの存在を挙げる。「なかでも、金融機関においては、融資や口座開設の申込書といった、手書きの定型書類を扱う業務が多い。これらを自動的かつ高精度にデジタル化する需要が高い」(同社)。
「これまでもOCRを使って紙文書のデジタル化は行われてきたが、従来のOCRは読み込み精度が低く、全体的な業務効率化が進められないことが課題となっていた」という。