IT市場調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は2018年10月25日、国内のRPA(ロボットによる業務自動化)市場の規模に関する予測を発表した。2022年度には400億円市場となり、2017~2022年度の年平均成長率(CAGR)は62.8%を予測している。
2017年度のRPA市場は、売上金額が35億円で、前年度比で約4.4倍の急速な伸びを示した。2018年度も引き続き、前年度比で2.5倍の高い伸びを予測する。2022年度には400億円市場となり、2017~2022年度の年平均成長率は62.8%になる。RPAの導入単価が下がってきている一方で、市場参入ベンダーが拡大している。
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ITRによると、2017年度は、それまで金融・保険業など一部の業種で先行していたRPAツール導入の動きが、他業種へも広がった年である。RPAツールを取り扱うSIベンダーが増加し販路が拡大したことも 、成長を後押しする要因となった。2018年度は試行段階にある企業での本格稼働が進み、2020年度まで高い成長率が続くとしている。
この一方で、製品ベンダー間の競争も激化しており、製品単価の低下や、一部の先進ユーザー企業における製品の切り替えなどの動きも始まっているという。今後は、大規模稼働に対応したロボットの管理・ガバナンス機能を持つ製品の需要が高まるとしている。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:RPA/OCR/BPM市場2018』に詳細を掲載している。RPA、OCR、BPM、BRMS(ビジネスルール管理システム)、ワークフロー市場の全5分野を対象に、国内48ベンダーへの調査に基付いた2016~2017年度売上げ実績と2022年度までの売上げ予測を掲載している。