アクセンチュアは2018年12月5日、世界10カ国のCFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)を対象にした調査の分析結果を「パラダイムシフトするCFO:金庫番から、企業価値創出プロデューサーへ」と題して発表した。調査の結果から、企業のデジタル化がCFOの役割にどのような影響を与えているのかが浮かび上がった。
アクセンチュア(Accenture)のグローバルCFO調査に回答したのは、売上10億米ドル(約1130億円)以上のグローバル企業の財務部門リーダー741人。回答企業の本社所在地は米国、英国、日本、ドイツ、イタリア、フランス、豪州、ブラジル、スペイン、シンガポールの10カ国で、金融、消費財、保険、小売、エネルギー、鉄鋼・金属、通信・メディア、ハイテク、電気・水道と幅広い業種をカバーしている。調査テーマは、「急速に進むデジタル化によるCFOへの影響」である。
CFOがデジタル化で果たす役割は?
まず、デジタル活用におけるCFOの役割について。アクセンチュアではCFOがデジタル活用で果たす役割について3つの段階を設定している。
第1段階が「経理オペレーションの自動化」で、RPAによる経理業務の自動化やITシステムによる管理部門コスト削減がこれに当たる。第2段階が「事業管理の高度化」で、全社横断でのデータの見える化、予算策定へのアナリティクス活用などのこと。第3段階が「事業デジタル化の牽引」で、デジタル活用による事業改革や全社デジタルトランスフォーメーションの推進を牽引する立場のことだ。
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「CFOとして、経理財務部門の業務を、今後3年以内にどれだけテクノロジーにより自動化させるか?」という第1段階の問いに対して、2割以上と答えたのがグローバル平均で87%に上った。国別ではイタリア、米国が92%、フランスが91%と3カ国で90%を超えた。日本も8位ながら83%と高い数値を示した。しかしながら、次に示す、第2段階、第3段階の問いに対する結果は、日本と海外との差が際立つこととなった。
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