インターコムは2018年12月20日、流通、製造、金融などにおける業界内の企業間取引を支援するEDI(オンライン電子データ交換)ソフトウェア「Biware EDI Station 2」のオプションとして、これまで人手を必要としていたWeb-EDIの受注業務をRPAの技術で自動化する「Biware EDI Station Auto Webオプション」を発表した。2018年12月21日に販売開始する。価格(税別)は、82万円。
インターコムのBiware EDI Station 2は、EDI(電子データ交換)サーバーソフトである。インターネットEDIプロトコル(EDIINT AS2、ebXML MS 2.0、ebXML MS 3.0、JX手順、SFTP)と、レガシーEDIプロトコル(JCA手順、全銀協手順、全銀TCP/IP手順、ファクス)を利用できる。これらのプロトコルを使って企業間取引を行える。ワークフロー作成機能を利用すれば、受注業務を自動化することもできる。
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これらのEDIプロトコルを用いたEDIのほかに、Web-EDIと呼ぶEDIの方法もある。Web-EDIは、発注企業ごとに専用システムを構築しており、受注企業はWebブラウザを通じて取引先のシステムを利用する形態となる。複数の取引先との受注業務をWeb-EDIで行う企業にとって、専用システムへのログインや取引ファイルのアップロード/ダウンロードなど、人手を介した業務を取引先ごとに何度も繰り返す必要がある。
今回の「Auto Webオプション」は、Web-EDI、すなわち、発注企業がEDI取引のために用意しているWebアプリケーション画面の操作を、RPA(ロボットによる業務自動化)機能によって自動化するソフトである(図1)。EDI Station 2とAuto Webオプションを併用することで、通信手順を使ったEDIからWeb-EDIまで、各種の受注業務を自動化できる。
Auto Webオプションの特徴の1つは、取引先Webサイトのレイアウト変更に影響されない、言語構造解析型によるロボット操作ができることである。WebサイトのHTML言語の構造を解析し、入力エリアやボタンなどのオブジェクトを認識する。座標指定型や画像認識型とは異なり、Webサイトのレイアウトやデザインが変更になっても正しく動作する。
別の特徴として、セキュリティを目的に画面をパスワードロックした状態でも自動処理を実行できることである。受注業務は、取引情報や顧客情報などの重要なデータを取り扱うため、情報セキュリティの面で十分な配慮が求められる。ロボット操作の実務においては、PCの画面をロックした状態で自動処理を行う必要がある。
EDIプロトコルを用いたEDI処理を含めて、すべてのEDI処理を自動運用するためのGUI画面を用意している。Auto Webオプションの呼び出しやEDI Station 2が実装する各種通信手順の呼び出し、ダウンロードしたデータの変換処理、基幹システムへのデータの受け渡しなど、EDI処理にまつわる一連の流れをノンプログラミングで簡単に定義し、指定したスケジュールを基に実行したり、基幹システムから送信ファイルが生成されたタイミングで実行したりできる。