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日立の運用管理ソフト新版「JP1 Version 12」、クライアント用ジョブ管理でRPAを含めて自動化

2019年1月22日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日立製作所は2019年1月22日、運用管理ソフトウェア群の新版「JP1 Version 12」を発表した。2019年1月23日に販売を開始し、2019年1月31日以降順次出荷する。新版では、クライアント環境向けのジョブスケジューラで、RPA(ロボットによる業務自動化)ソフトを含めた処理を自動で制御できる「JP1/Client Process Automation」を新製品として追加するなど、いくつかの強化を施した。

 JP1は、日立が長年提供する統合システム運用管理ソフトウェア群である。JP1ブランドの下で、用途に応じて多数の運用管理ソフトを用意している。システム統合監視、ネットワーク管理、ジョブ管理、性能監視、IT運用自動化、インベントリ管理/ソフトウェア配布、データバックアップ、セキュリティ管理、サービスデスク、など、運用管理の各分野ごとに製品を用意している。

 今回、これまでJP1シリーズになかった新製品として、クライアント機向けのジョブ管理ソフト「JP1/Client Process Automation」(図1)と、全体のジョブ管理ソフトからクライアントのジョブを制御できるようにする「JP1/Client Process Automation Option for Automatic Job Management System 3」を追加した。

図1:JP1/Client Process Automationを使えば、RPA製品も含めた運用を自動化できる(出典:日立製作所)図1:JP1/Client Process Automationを使えば、RPA製品も含めた運用を自動化できる(出典:日立製作所)
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 JP1/Client Process Automationは、クライアントPC向けのジョブ管理ソフト(ジョブスケジューラ)である。RPAソフトで行う業務や、手作業で行う表計算ソフトを使ったデータ集計、ファイルやメールの送受信など、クライアントPCで行う一連の業務をジョブフローとして定義し、自動で実行できる。

 ジョブフローの定義にコーディングのスキルは不要である。「いつ」、「何をどの順番で」実行するかを、あらかじめ用意しておいたアイテムをつなぎ合わせて定義するだけで、一連の業務を自動化できる。

 会社全体のジョブを管理するジョブ管理ソフト「JP1/Automatic Job Management System 3 - Manager」(JP1/AJS3)と連携することで、複数のRPA製品で行う業務や基幹業務も含めた、企業全体の業務運用を自動化できる。このためのオプション機能としてJP1/Client Process Automation Option for Automatic Job Management System 3を用意している。

 ジョブ管理ソフトのJP1/Client Process Automationの価格(税別、以下同)は9万8000円で、連携オプションのJP1/Client Process Automation Option for Automatic Job Management System 3の価格は98万円。いずれも2019年3月29日から出荷する。

システム統合監視と統合ジョブ管理も新版に

 新版ではさらに、JP1の主要製品のうち、システム統合監視ソフトの「JP1/Integrated Management 2 - Manager」(JP1/IM2、図2)と、ジョブ管理ソフトのJP1/AJS3をアップデートした。JP1/IM2の価格は60万円からで、JP1/AJS3の価格は27万円から。いずれも2019年1月31日から出荷する。

図2:JP1/Integrated Management 2の概要(出典:日立製作所)図2:JP1/Integrated Management 2の概要(出典:日立製作所)
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 JP1/IM2(旧名称はJP1/IM)は、システムの稼働状況などを監視する統合監視コンソールソフトである。WindowsのイベントログやUNIXのsyslog、業務の実行状況などの通知を収集し、JP1イベントとして一元的に監視できる。別途SNMPマネージャソフトを組み合わせることで、SNMPトラップも監視できる。

 今回の新版(JP1/IM2)では、マルチクラウド環境やマルチベンダーシステムまで多様なIT環境を一元管理できるようにしたほか、発生する事象(イベント)だけでなく、稼働情報や構成情報などの運用データやオープンデータなどを組み合わせてリアルタイムに集約して画面に表示できるようにした。また、企業ごとに異なる、ビジネス判断に必要なデータを、エンジニアの知見に基づいて関連付けられるようにした。

 目的や立場に応じて必要な情報を、分かりやすく可視化し、迅速な意思決定を支援できるようにした。例えば、経営者やIT部門の管理者は、全社を横断した業務プロセスを俯瞰的な把握したり、経営に直結する重要なシステムの稼働状況を容易に把握したりできる。IT部門の運用担当者は、IT環境全体やシステム間の関係性から運用状況を容易に確認でき、障害発生箇所や業務への影響範囲を的確に把握できる。

 今回新版へと刷新したもう1つのソフトであるJP1/AJS3は、ジョブ管理ソフト(ジョブスケジューラ)である。業務システムの一連の流れを構成する個々のコンピュータ処理をジョブとして定義し、このジョブを決められた順番や条件に応じて実行する。複数の業務サーバーに分散したジョブを連携させたジョブフローを実現できる。個々のジョブとして、ジョブ記述言語で開発したジョブや任意のバッチスクリプト、Webサービスなどを利用できる。

 JP1/AJS3の新版では、JP1/Client Process Automationと連携し、クライアント環境を含めて自動化できるようにした。JP1/AJS3単体では、業務運用における計画停止の要素を削減できるように、クラウド環境で運用中のシステムにおいてJP1/AJS3の定期的なバックアップを自動で行えるようにした。

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