横浜ゴム(本社:神奈川県平塚市)は、間接材の調達業務のため、調達・購買クラウド「SAP Ariba Cloud」を導入した。オンプレミス版のSAP AribaのOSサポートが2020年に終了することを機にクラウドサービスに切り替えた。2019年11月に国内拠点での導入が完了した。SAPジャパンが同年3月27日に発表した。
横浜ゴムは、タイヤ、高圧ホース、コンベアベルト、スポーツ用品、航空部品など、数々の製品を取り扱っている。今回導入したSAP Ariba Cloudは、間接材の調達業務を支援するクラウドサービスである。調達・購買のための業務アプリケーション機能と、購買プロセスにおいてサプライヤーと円滑に連携するための企業間ネットワーク(Ariba Network)を提供する。
横浜ゴムは、2003年からオンプレミス版のSAP Aribaを利用して間接材の調達業務を行ってきた。2020年にOSのサポート期限を迎えるのを機に、新たな調達・購買サービスを検討し、SAP Ariba Cloudの導入を決定した。また、SAP Aribaを使っていない調達業務もあったため、すべての間接材調達業務を1つのシステムに集約することも目指した。
2018年2月に導入プロジェクトを開始した。2018年10月には、一部拠点で本稼働を開始し、2018年11月に国内拠点での導入が完了した。当初は2019年4月に国内拠点での導入を完了する見込みだったが、大幅に構築が早まった。構築が早まった背景として同社は、クラウドであることや、工場実務に精通したスタッフがプロジェクトに参加したことで工場の現状を的確に反映できたことを挙げる。
横浜ゴムは、新システムへの期待として、調達業務の効率化とミスのない調達業務によってユーザーとのコミュニケーション時間を増やせることを挙げている。また、管理職においては、社内規則に沿った承認行為が正確・適切に行えるといった効果を期待している。今後、横浜ゴムは、SAP Ariba Cloudを海外拠点にも展開していく予定である。