Dell EMC(EMCジャパン)は2019年4月12日、説明会を開き、HCI(ハイパーコンバージドインフラ)製品の現況を説明した。分散ストレージとしてVMware vSANを用いる「VxRail」の現行バージョン4.7では、vCenterを介して管理できるようにしたほか、2ノード構成をサポートするなど、システム構成を柔軟にした。同社は、vSANとは異なる別の分散ストレージソフトである「VxFlex OS」(旧ScaleIO)の高性能についてもアピールした。
写真1:Dell EMC(EMCジャパン) モダンデータセンター事業本部 GTMエンタープライズシニアシステムエンジニア/HCIスペシャリストの高橋岳氏拡大画像表示
説明会では、HCI製品であるVxRailの現行バージョン4.7で新しくなった機能や項目を説明した(写真1)。
HCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)とは、サーバー仮想化ソフト(ハイバーバイザ)と分散ストレージソフト(個々のサーバー機が内蔵するストレージを束ねて仮想的なストレージを構成できるソフト)を組み合わせたアプライアンスサーバー機のこと。このアプライアンスサーバー機をスケールアウト型で増設することによって、性能や容量を増やせる。これにより例えば、収容できる仮想サーバーの台数を増やせる。
デルとEMCジャパンは、米VMwareのミドルウェアを搭載したVxRailをHCIとして提供している。VxRailは、サーバー仮想化ソフトとしてVMware vSphereを、分散ストレージ機能はvSphereのカーネルに組み込まれているVMware vSANを使う。他の分散ストレージソフトと比べたvSANの特徴は、サーバー仮想化ソフトのカーネルに組み込まれていることから、処理性能やリソースの使用効率に優れることである。
これに対して、vSAN以外の分散ストレージソフトを採用する一般的なHCIの場合、仮想サーバーの1台に分散ストレージソフトを導入し、これがサーバー仮想化ソフトと連携動作する。仮想サーバーからストレージへのアクセスは、サーバー仮想化ソフトを介してから、他の仮想サーバー上で動作している分散ストレージソフトの機能を使うことになる。これがオーバーヘッドになる。
VxRail 4.7ではvCenterから全機能を管理可能に
VxRailの現行版(バージョン4.7)では、性能を高めたほか、運用管理を容易にした。さらに、システム構成を柔軟にして、より安価に購入できるようにした(図1)。
図1:VxRail 4.7で強化したポイント。性能を高めたほか、vCenterを介して管理できるようにした。システム構成も柔軟にして安価に購入できるようにした(出典:EMCジャパン)拡大画像表示
運用管理面では、VMware環境の運用管理ソフトであるvCenterを介してVxRailを管理できるようにした。また、vMotionによって仮想サーバーがノード間を移動した際に、ネットワークスイッチのQoS設定を自動で追従させられるようにした。このための仕掛けとして、OS10(Dell EMCのネットワークスイッチ用OS)を搭載したスイッチをvCenterから管理するためのvCenterのプラグインを用意した。
購入価格に関係する部分では、最小構成として、2台のVxRailをケーブルで直結した2ノード構成で利用できるようにした。これまでの最小構成は3ノードだった。さらに、分散ストレージソフトのvSANのライセンスを柔軟に選べるようにした。これまでは多機能のEnterpriseエディションしか選べなかったが、機能を絞ったAdvancedエディションやStandardエディションも選べるようにした。
機能面では、新たにGPU(グラフィックス/浮動小数点演算ユニット)の拡張カード(米NVIDIA製)を搭載できるようにした。GPUによって処理を高速化できるアプリケーションを使っている場合に、処理を高速化できるようになった。
VxFlex OS(ScaleIO)はI/O負荷が高いアプリケーションに向く
vSANとは異なる別の分散型のブロックストレージソフトである「VxFlex OS」(旧ScaleIO)の性能の高さについてもアピールした。VxFlex OSは一般的な分散ストレージソフトと同様に、仮想サーバーの1台に導入して使う。これがサーバー仮想化ソフトと連携して動作する。
vSANと比べたVxFlex OSの意義は、まずはサーバー仮想化ソフトの選択肢が広いことである。vSANは、VMware vSphereのカーネルに組み込まれていることから、VMware vSphere環境専用である。一方、VxFlex OSは、VMware vSphereのほか、Hyper-VやXenServer、KVMなどでも動作する。
VxFlex OSの用途としてデルとEMCジャパンは、I/O負荷が高いアプリケーションを挙げる。大量のサーバー機でクラスタを組んだ大規模な並列処理に向けてデザインしているという。性能の実例として、Dell PowerEdge 730xd×4台(SSD×23本)でHCIを組んだ場合、毎秒13万I/Oのアクセスを1ミリ秒以内のレスポンスで実行できているという。
障害に対する回復能力も高いとしている。1台のサーバーがシステム障害を起こした場合にリビルド(再構成)にかかる時間を計測したところ、12ノードで406TB(1ノードあたり34TB)のストレージプールでは105分、27ノードで167TB(1ノードあたり6TB)のストレージプールでは15分でリビルドが終了したという。
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