[調査・レポート]

“DARQ”の力でポストデジタル時代に備えよ─アクセンチュアが今後3年間の重要技術トレンドを解説

2019年4月18日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

アクセンチュアは2019年4月18日、今後3年間でビジネスに大きな影響をもたらす重要な技術のトレンドを予測した年次調査レポート「Accenture Technology Vision 2019」(テクノロジービジョン2019)を発表した。レポートでは「DARQ(分散型台帳、人工知能、拡張/強化現実、量子コンピューティング)の力」など、ビジネスの成功に不可欠な5つの技術トレンドを定義している。

 テクノロジービジョン2019は、今後3年間でビジネスに大きな影響をもたらす重要な技術のトレンドを予測した年次調査レポートである。全世界で6600人以上の企業経営層やIT担当幹部を対象にアクセンチュアが調査した。2019年のテーマは、「ポストデジタル時代の到来 - 次への備えはできているか」。レポートでは、ビジネスの成功に不可欠な5つの技術トレンドを定義している(図1)。

図1:ユーザー調査を通じて、ビジネスの成功に不可欠な5つの技術トレンドを定義した(出典:アクセンチュア)図1:ユーザー調査を通じて、ビジネスの成功に不可欠な5つの技術トレンドを定義した(出典:アクセンチュア)
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写真1:アクセンチュアのテクノロジーコンサルティング本部でインテリジェントソフトウェア エンジニアリングサービスグループ統括マネジング・ディレクターを務める山根圭輔氏写真1:アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部 インテリジェントソフトウェア エンジニアリングサービスグループ統括マネジング・ディレクターの山根圭輔氏
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 アクセンチュアは、説明会を開き、5つの技術トレンドを紹介した(写真1)。

 技術トレンドの1つは「“DARQ”の力」である。DARQ(ダークと読む)は、分散型台帳(Distributed Ledger、典型にはブロックチェーン)、人工知能(Artificial Intelligence)、拡張/強化現実(Augmented Reality)、量子コンピューティング(Quantum Computing)の頭文字をつなげた言葉である。これらは既存の“SMAC“(ソーシャル、モバイル、分析、クラウド)の力に次ぐ力であり、次の時代に備えるために必要な力だとしている。

 説明会では、量子コンピューティングをすでに実務に活用しているユーザー事例として、デンソーを紹介した。組み合わせ最適化問題を高速に解くカナダD-Wave Systemsの「D-Wave 2000Q」を使って、工場内の無人配送車の運行計画を作成している。10台の配送車が衝突回避のために停止する時間を4分の1に短縮できた事例である。

 技術トレンドの2つ目は、「『私』を理解せよ」である。iRobotのロボット掃除機「ルンバ」によって家の間取り図が作成できるといった具合に、技術によって「私」を拡張するコンセプトである。

 事例として、インドのFinTech企業でモバイル決済サービス提供のスライスペイ(SlicePay)を紹介した。SNSの投稿写真を元に、ユーザーのクレジットスコアを判定する事例である。また、日本でもおなじみのピザ販売チェーン、米ドミノ・ピザ(Domino’s Pizza)は、注文チャネルの多様化によって全注文の50%をデジタル化し、売上高を12%増やしたという。

●Next:人材能力の拡張、エコシステムのセキュリティ、マイマーケット

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