鹿児島銀行は、ATM(現金自動預け払い機)でキャッシュカードを使わずに預金の引き出しを行う「カードレスATM取引」の試行を開始する。沖電気工業(OKI)が2019年4月19日に発表した。
従来はキャッシュカードと暗証番号で本人確認を行っていたATMの預金引き出しを、キャッシュカードを使わない「キャッシュカードレス」とする(図1)。これにより、鹿児島銀行は利用者の利便性向上と本人確認業務の効率化を目指すとしている。
図1:取引のイメージ(出典:沖電気工業)
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カードレスATM取引の本人確認には、キャッシュカードの代わりに「生体認証(顔認証)」と「暗証番号」を利用する。あらかじめ生体情報(顔認証情報)などのデータを暗号化してQRコードに格納したうえで、利用者のスマートフォンに保存してもらう。
セキュリティに注力したQRコードの仕組みであるSQRCを使う。1つのコードに「公開」と「非公開」の2つのデータを格納できる。非公開データは、暗号鍵を持ったリーダーだけで読み取りができる。
試行稼働における対象取引は、普通預金の支払いである。取引の際にキャッシュカードは不要で、スマートフォンだけでATMから現金を引き出せる。OKIは、試行稼働の結果を基に、金融機関におけるカードレスATM取引の活用拡大の可能性を検討していく。