家具・インテリア、キッチン用品、生活雑貨など暮らし周りの商品を扱う小売業大手のニトリ。同社は2019年2月に、学習支援を目的とした新たな人材マネジメントプラットフォームの構築を発表している。Workdayとグロービスの協力で実現したものだ。2019年6月25日に開催されたWorkdayの年次イベント「Workday Elevate Tokyo」で、ニトリホールディングス組織開発室室長の永島寛之氏が、プラットフォーム構築の狙いを語った。
「非連続」な成長を目指すニトリの戦略
Workdayといえば、社員の経歴やスキル、キャリア志向などの情報を管理するクラウド型のHCM(Human Capital Management)/タレントマネジメントプラットフォームとして知られるが、ニトリがWorkdayを使って構築する新たな人事システム、最大の特徴は「学習」に強くフォーカスしていること。その理由は、ニトリの成長戦略にあるようだ。
ニトリは、2019年2月期現在で576店舗を構え、社員数はグループ19社で4万1985人、売上高は約6000億円。海外はアジアを中心に12社、1万人近くが海外の人材という構成になる。同社が掲げる長期経営計画の第2期30年ビジョンでは、2022年に1000店舗、売上高1兆円、2032年に3000店舗、売上高3兆円を目指すとしている。
同社は前年度まで32期連続増収増益を実現、着実な連続成長を遂げてきた。しかし、「2032年に売上3兆円を達成するためには、非連続成長が必要になる」。このまま、まっすぐ成長しても目標にはたどりつかないので、これまでには無い要因による、非連続な成長が求められているというのだ。
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永島氏によると、製造や物流の仕組みやコーディネート、店舗運営ノウハウなどのコアコンピタンスを、他社が真似できないレベルまで徹底的に磨いてきたことがニトリの強みになってきた。しかし、グローバリゼーションやデジタルトランスフォーメーションなどの新しい波に対応していくためには、「今までのコアコンピタンスを磨いていくという方針だけでは、間に合わない」という。だから、「どんどんタレント(人材)を違う領域にマネジメントして成長させていかなければならない」という考えに行き着いた。
ニトリでは、製造部門・物流部門・IT部門・小売部門などで自前主義を取っている。製造やITでは外部の協力を一部仰いでいるが、基本的にこれらを自社の中で回しているため、もともと非常に多くのタレントが必要とされてきた。企業規模と事業領域の急拡大を図れば、当然その要求は高まっていく。より幅広い能力や知見を持ったタレントが必要とされてくるのだ。
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