インターネットイニシアティブ(IIJ)は2019年7月3日、SDN(ソフトウェア定義型ネットワーク)ソフトやNFV(仮想マシン型のネットワーク機器)を利用して企業ネットワークをクラウドサービス型で提供する「IIJ Omnibusサービス」を強化した。同日付けで、Office 365などのSaaS型クラウドサービスへの通信経路をIIJ Omnibusのサービス基盤上で自動的に制御する「IIJクラウドプロキシサービス」を開始した。価格(税別)は月額16万3000円からで、初期費用は12万円から。
インターネットイニシアティブ(IIJ)の「IIJ Omnibusサービス」は、ファイアウォール(ゲートウェイ)やメールサーバー、Webプロキシサーバー、リモートアクセスサーバーといった、これまで社内LAN上で運用していたネットワーク機器の機能をクラウド型で提供するサービスである。企業は、アクセス回線とエッジに設置する装置さえあれば、社内LANと同様のネットワークを利用できる(関連記事:IJ、ネットワーク機能をクラウドで提供する「IIJ Omnibus」を強化、SD-WAN、VPNなどを追加)。
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今回、SaaSへのアクセス経路を適切に振り分けるクラウドプロキシ機能を追加した(図1)。拠点からいったんIIJ Omnibusサービスの網内にアクセスし、IIJ Omnibus網にあるクラウドプロキシを介して個々の経路を通ってインターネットにアクセスする。通信経路の振り分けルールは、Web管理画面から簡単に設定・編集できる。ルールに優先順位を付けることによって細かい制御ができる。
Office 365などの特定SaaSのあて先URLをテンプレートとして提供する。IIJクラウドプロキシサービスでは、Office 365のアドレス情報を自動的に取得し、IIJ独自の宛先リストテンプレートとして提供する。「Office 365はサーバー構成の変更が頻繁にあり、接続先のアドレス情報(FQDN)が更新されるたびに接続先の設定を変更しなければならない」(同社)ことに対処する。