日本IBMは2019年9月9日、米IBMと東京大学が2019年6月にアカデミック・パートナーシップを締結したと発表した。東京大学は、IBMと提携して量子コンピューティングの研究・教育の促進を図る。
東京大学は、「IBM Q Network」に参画する。これにより東京大学は、教育と研究のためにIBM Qの商用量子コンピューティングシステムに直接アクセスできるようになる。
研究トピックには、量子コンピュータに必要なソフトウェアの研究、NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum Computer)量子アルゴリズムの研究、量子コンピューティング・アプリケーションの範囲の研究、が含まれる。
東京大学における教育研究では、教育面では2019年度採択された卓越大学院「変革を駆動する先端物理・数学プログラム」で、量子力学的発想で直接量子プログラミングができる能力を有する新世代を育成し、物理・数学の先端分野で科学技術を推進する人材を創出すること掲げている。
研究面では量子アルゴリズムとアプリケーションの研究、具体的には現代コンピューターを超越する量子アルゴリズムの理論と量子回路設計とプログラミングを通した実装から、IBM Qの高度な操作機能を活用した量子力学シミュレーション、そして量子機械学習などの研究を行う。
IBM Q Networkは、量子コンピューティングを進歩させ、エコシステムを促進することを目的としたグローバルコミュニティである。企業、学術機関、新興企業、研究機関などが参加している。IBM Qは、ビジネスおよび科学アプリケーション向けの商用汎用量子コンピューティングシステムの構築に向けたイニシアチブを指す。