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UiPath、プロセスマイニング機能などを追加した次世代RPAプラットフォームを発表

2019年11月1日(金)杉田 悟(IT Leaders編集部)

UiPath日本法人は2019年10月30日、RPAプラットフォーム「UiPath」の次世代版を発表した。プロセスマイニング、簡易版の開発ツール、人とロボットの継続的なコミュニケーションを実現する機能、RPA実行状況の分析機能、社内コミュニティ機能など、大幅な機能追加を行っている。

 今回発表した次世代版では、RPAプラットフォームを大幅に機能拡張した。新たに「UiPath Explorer」「UiPath Apps」「UiPath Insights」「UiPath Connect Enterprise」というコンポーネントを加えたほか、一部の主要コンポーネントについても、機能強化を行っている。

 UiPathでは今回の機能追加により、計画(Explorer)から開発(Studio)、管理(Orchestrator)、実行(Robots)、協働(Apps)、測定(Insights)に至るエンドツーエンドの自動化ソリューションが完成したとしている。以下は追加・強化された機能の概要である。

図1:UiPathの次世代版で提供されるエンドツーエンドの自動化ソリューション(出典:UiPath)
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UiPath Explorer

 UiPathは、2019年10月15日にオランダのプロセスマイニングベンダーであるProcess Goldの買収と、プロセス文書作成ツールを提供するエストニアのStepShotの買収を発表している。買収した両社の機能を適用させたのがUiPath Explorerとなっている。

 Process Goldは、企業全体のプロセスを可視化、分析するプロセスマイニングツール。RPAを業務プロセス全体のどの部分に適用すると大きな効果を得られるかを評価することができる。プロセスマイニングは、業務システムのログを収集、分析してボトルネックなどを明らかにする手法。UiPathによるとプロセスマイニングについては日本ではRPA導入を検討しているユーザーや、RPA導入で思ったような効果が得られなかったユーザーからの問い合わせが急増しているという。

 StepShotは、デスクトップ上でのユーザーの行動を記録し、実際の業務プロセスとして手順を自動的に文書化するツール。自動作成された文書は、開発するロボットの設計書やマニュアルとして活用することが可能になる。

 UiPath Explorerは、両ツールの分析を通じてバックエンドとフロントライン両方の操作を理解する。これにより業務プロセス自動化に関する識別、ドキュメント化、優先付けが実行できるようになるとしている。

UiPath Apps

 UiPath Appsは、すべてのプロセスにおいて、人とロボットの継続的なコミュニケーションを実現する機能。プロセスの実行中に人が介在する必要のある処理が発生すると、ロボットの処理を一時停止してアラートを出す。人が処理を行ったあとロボットは続きの処理を行う。このリアルタイムなやり取りを継続的に行っていくことにより、承認や判断など人が介在するタスクへの対応、管理が可能になる。UiPathはこのRPAロボットと人の共存関係を「Human-in-the-Loop」と呼んでいる。

UiPath Insights

 UiPath Insightsは、RPAの導入効果を測定する機能。ロボットとワークフローのパフォーマンスやビジネス指標を測定、分析する。また、業務自動化によるコストと時間の節減効果を数値化し、効率とパフォーマンスの推移を評価する。

UiPath Connect Enterprise

 UiPath Connect Enterpriseは、RPAロボット開発に関する社内のコミュニケーションプラットフォーム。ユーザー部門が必要なロボットをリクエストしたり、すべての従業員が思いついたロボットのアイディアを出すことができる。RPAのCOE(Centre of Excellence)組織は、自動化のアイディアを集約するだけでなく、リクエストされたロボットの実現性や必要性のレベルを分析して可視化、次にどのようなロボットを開発するかの指標にすることもできる。

UiPath Studio X

 UiPath Studio Xは、主要コンポーネントであるUiPath Studioからニーズの高い機能に絞って利用できるようにした開発環境ツール。特に日本のユーザーからのニーズが高かったのが、Excelを使った単純な処理。このニーズを取り入れてExcel関連処理を中心に機能を絞った、UiPath Studioの簡易版となっている。

Cloud Platform Community Edition

 UiPathを無料で検証可能なCloud Platform Community Editionの提供も、2019年10月30日に開始している。これまでのUiPath Community Editionは、Studioの利用が中心となっていたが、新たにStudio、Robots、Orchestratorが使えるようになった。

 次世代版RPAプラットフォームは2019年11月から順次提供していく。UiPath Insightsは2020年第1四半期に提供を開始する予定となっている。

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