伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2019年12月3日、イスラエルStratoscaleが提供する、Amazon Web Services(AWS)と互換性のあるプライベートクラウド環境をオンプレミスで構築できるソフトウェア「Stratoscale」の販売を開始した。CTCは、製造業や金融業、製薬業を中心に展開し、3年間で20社への販売を目標にする。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の「Stratoscale」は、AWSと互換性のあるインフラ環境とアプリケーション開発・実行環境をオンプレミスで構築できる、プライベートクラウド構築ソフトウェアである。サーバーやストレージ、ネットワークなどのリソースを、ポータルからの簡単な操作で配備・管理できる。
複数のコンテナを管理する機能に加えて、データベースやオブジェクトストレージ、ファイルサーバー、機械学習などのクラウドで使用する機能も備えており、画面上で選択することで使用できるようになる。これにより、オンプレミスで重要なデータを安全に管理しながら、AWSの環境と同様に迅速なアプリケーション開発とサービス提供が可能になる。
また、Stratoscaleのポータルでオンプレミス環境とAWSを管理できるため、システム管理者に負荷がかからない柔軟なハイブリッドクラウドの構築・運用も可能になる。
製品提供の背景について同社は、企業システムでのパブリッククラウドの利用が進んでいる一方で、オンプレミス環境でのさらなる利便性が求められていることを挙げる。「パブリッククラウドは、使用の仕方で高コストとなる場合もあり、特にセキュリティの観点からすべてのシステムをパブリッククラウドに配置できない企業も多い」(同社)。
CTCは、マルチベンダーでのオンプレミスのシステム構築実績があり、AWSのパートナープログラム「APNプレミアコンサルティングパートナー」の認定も受けている。Stratoscaleの提供に際し、これまで得たノウハウをベースに、導入検討のための事前検証を行うPoC支援、設計・構築、導入後の運用支援など、包括的なサービスを提供するとしている。
なお、Stratoscaleを提供している企業は、CTCだけではない。ネットワールドが2019年4月からStratoscaleを国内で提供している(関連記事:ネットワールド、AWS互換のクラウド環境をオンプレミスに構築するStratoscale製品を販売)。