制御・計測機器メーカーのアズビルは、RPA(ロボットによる業務自動化)を導入してPLM(製品ライフサイクル管理)システム関連の業務を自動化した。5カ月間で作業時間を200時間を削減した。入力ミスなどの人的エラーもなくなった。RPAソフトウェア「Automation Anywhere Enterprise」を提供したオートメーション・エニウェア・ジャパンが2020年3月10日に発表した。
アズビルは、2017年5月にPLM(製品ライフサイクル管理)パッケージソフトウェアの「PTC Windchill」を導入し、製品の企画段階から廃棄に至るまでの全行程で、設計図や部品表のデータを共有・管理している。アップデート時の検証作業を最小限に抑えるため、業務プロセスを見直し、標準機能をできるかぎりそのまま利用してきたという。
しかし、標準機能を活用することで、本来必要のない操作を求められたり、社内用語と画面の用語が異なったりといった、実際の業務との差分が生じてしまい、利用者の作業効率低下が課題になっていた。これに対応するため、Excelファイル形式の申請書を使っているPLMシステムの管理業務を改善することにした。
アズビルは検討の結果、PLMシステムの業務にRPAを適用することにした。利用者登録・削除、登録情報の閲覧許可、変更開始ワークフロー、変更実施ワークフローといった業務について、20以上のボット(Bot)を稼働させて自動化している。
RPAの導入によって、利用者がマニュアルで作業していた時に比べて、処理時間を5分の1から半分程度まで短縮できたという。運用を開始した2018年11月から2019年3月までの5カ月間で、約200時間の作業時間の削減を達成した。入力ミスのような人的エラーもゼロに抑えられた。
アズビルは今後、他部門への水平展開も視野に入れている。また、業務品質の向上も図れたことから、今後はPLMシステム以外の業務にも計画的にRPAの適用を進め、業務品質の向上を目指す考えだ。
●Next:PLMシステム自動化プロジェクトの軌跡─なぜRPAを採用したのか
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