富士通クラウドテクノロジーズは2020年4月21日、パブリッククラウドサービス「ニフクラ」を強化し、1台のサーバー機に複数のグローバルIPアドレスを設定できるオプションサービス「マルチIPアドレス」を開始した。価格(税別)は、IPアドレス1つにつき月額3000円。北米「us-east-11」以外のすべてのリージョンで提供する。
「ニフクラ」は、仮想サーバーを調達できるIaaS型クラウドサービスである。今回追加した「マルチIPアドレス」は、ニフクラ上のサーバーに複数のグローバルIPアドレスを自由に割り当てて使えるサービスである。1台のサーバーに複数のIPアドレスを付けてIPアドレスによって機能を切り替えたり、異なるサーバーに同一のIPアドレスを割り当てて冗長化を図ったりできる(図1)。
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ニフクラは従来、サーバー1台につき1つのグローバルIPアドレスを割り当てる仕様だった。今回、サーバー設定のためのコントロールパネルを強化し、コントロールパネルを介して、サーバーに対して複数IPアドレスの設定を行えるようにした。
1台のサーバーに複数のIPアドレスを割り振ることで、URLベースではなくIPアドレスベースでのバーチャルホストを運営できる。Webサイトにおいて、アクセス時のIPアドレスに応じてWebページを切り替えるといった運用ができる。このように、1台のサーバーの利用用途を拡張できる。
また、異なるサーバーで同一のグローバルIPアドレスを共有できる。これにより、アクティブ/スタンバイ型の冗長構成を組むといった運用ができる。
マルチIPアドレスの具体的な仕様は、以下の通り。1つ以上のIPアドレスの集まりである「マルチIPアドレスグループ」を、ゾーンごとに2個まで作成できる。作成した「マルチIPアドレスグループ」は、同一ゾーン内のサーバーに割り当てられる。割り当てたサーバーは、「マルチIPアドレスグループ」内の任意のIPアドレス(最大10個)を利用できる。