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欧州最大手ファッションECのZalando、"プロセスマイニング+機械学習"で調達プロセスを最適化

Celonis IBCに備わるAction Engine活用の先行事例

2020年7月15日(水)鈴木 恭子(ITジャーナリスト)

プロセスマイニングの取り組みのゴールは、一言で言うなら業務プロセスの全社最適化だ。一方で、最新のプロセスマイニングツールに備わる機能を用いて、特定領域の課題解決に役立てるというアプローチも増えている。それに取り組んだ1社が、欧州最大手のファッションEC企業、独Zalando(ザランド)である。「Celosphere Live 2020」に出演した同社のセッションから紹介する。

欧州トップのファッションECがプロセスマイニングに早期から着目

 ドイツ・ベルリンに本拠を置くZalando(ザランド)は、2008年創業という比較的新興ながら、欧州で最大手のファッションEC企業というポジションを築いている。扱うアイテムは50万超で、アクティブユーザー数は3100万人とリピーターが多いのが特徴だ。1万4000名の従業員を擁し、17カ国でビジネスを展開している(画面1)。

画面1:欧州を中心に17カ国でファッションECを展開しているZalando。現時点では日本市場には展開していない
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 2019年における売上高は650億ユーロ(約7兆4750億円)にも上る。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックでオンライン需要が増加し、2020年4月の新規顧客数は過去最高を記録。2020年は前年比10~20%増の成長率を見込んでいるという。

 そんなZalandoは、早期よりプロセスマイニングに着目、現在は独Celonis(セロニス)の「Intelligent Business Cloud(IBC)」を手にして間接材の調達(Procurement)プロセスの改善に役立てている。2020年4月開催の「Celosphere Live 2020」では、IBCに備わるマシンラーニングを用いた「Action Engine」機能を用いたプロセス改善、間接材調達プロセスの自動化・最適化に関する取り組みを披露した。

 Zalandoでプロセスマイニングリーダーを務めるローラ・ヘンケル(Laura Henkel)氏によると、同社はプロセスマイニングの専門チームを置き、データエンジニア、データアナリスト、プロセスサイエンティストなどが集まり、社内のあらゆる部分のプロセス変革に携わっているという。

画面2:Zalandoのプロセスマイニングリーダー、ローラ・ヘンケル氏と調達オペレーション責任者のアレハンドロ・バステレチャ氏

 このチームが、マシンラーニングを駆使した間接材調達プロセスの最適化に取り組んだ。調達オペレーション責任者のアレハンドロ・バステレチャ(Alejandro Basterrechea)氏は次のように説明している(画面2)。

 「間接材は範囲が非常に広く、その調達には多くの部門部署が関係し、たくさんのプロセスや規則がある。いわば、高速道路の複雑なジャンクションのようなもので、常に交通整理が必要だ。そのため、間接材の調達・購買を迅速かつ効率よく行うには、ジャンクションに立って適切な整理とナビゲーションをしてくれるようなソリューションが不可欠だと考えた」(画面3

画面3:アレハンドロ・バステレチャ氏は、「調達プロセスは、いわば複雑に入り組んだ高速道路のジャンクションのようなものだ」と話した(出典:Zaland、Celonis)

●Next:プロセスマイニングの取り組みのどこでマシンラーニングが活きるのか?

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