シトリックス・システムズ・ジャパンは2020年8月24日、SD-WAN製品の1つとして、小規模拠点に向いたエッジルーター装置「Citrix SD-WAN 110シリーズ」を発表した。データ暗号化時の転送速度は、モデルに応じて40Mビット/秒、100Mビット/秒、200Mビット/秒。小型ボックス型の筐体で、同社のSD-WANエッジルーターとしては最も小型の機種に相当する。追加機能でUTMの機能を追加できる「Citrix SD-WAN Advanced Edition」も提供する。価格は、いずれも非公開。
Citrix SD-WAN 110シリーズは、SD-WANエッジルーターのエントリ機種である(写真1)。小規模拠点のエッジルーターの用途に適する。特徴は、設定を簡素化できるSD-WAN製品であること。システム管理者がいない拠点でも、設置するだけで運用できる。SaaSにアクセスする際に、本社へのネットワーク接続を介さずに直接インターネットに接続するインターネットブレークアウトなどの設定も容易にできる。4500種類を超えるSaaSをパケットベースでリアルタイムに検出できるとしている。
同社のSD-WANルーター製品の中では、最も小型でエントリクラスの機種となる。より小規模な拠点に適する。データ暗号化時のスループット性能は、モデルに応じて、40Mビット/秒、100Mビット/秒、200Mビット/秒である。インターネット接続回線として、モバイル回線(LTE)も利用できる。
追加機能として、インターネット接続時のセキュリティを確保するCitrix SD-WAN Advanced Editionも用意した。シグネチャベースのIDS/IPS、Webフィルタリング、HTTP、FTP、SMTP(メール)経由のマルウェアへの対策など、エッジルーターに求められるセキュリティ機能群を一通り提供する。
背景について同社は、ファイアウォールやUTMなどを本社に設置する従来の方式の場合、インターネットブレークアウトでエッジルーターから直接インターネットにアクセスした際に保護が受けられないケースを挙げている。このため、「IDS/IPSやUTMなどの機能を拠点のエッジルーター上にも配置するニーズが増えている」という。