関西電力は、火力発電設備の保全業務を担う火力設備保守管理システムを2020年3月に稼働させた。業務アプリケーションとして、ERP(統合基幹業務システム)ソフトウェアのSAP S/4HANAと、レポート出力用にBI(ビジネスインテリジェンス)ソフトウェアのSAP BusinessObjectsを採用した。SIは、関電システムズとアクセンチュアが担当した。SAPジャパンが2020年8月26日に発表した。
関西電力は、火力発電設備の保全業務を担う火力設備保守管理システムを、SAP S/4HANAとSAP BusinessObjectsで刷新した。2017年に火力総合情報システム再構築の検討を開始し、2020年3月に本稼働を開始した。検討では、発電所10カ所での大規模利用に適用できることや、今後の事業拡大に対応できる拡張性などを考慮した。
本システムの導入によって、発電所間で設備管理基準を標準化できた。これにより、作業効率が向上が見込めるとしている。また、設備保全基盤の確立によって、火力発電部門のデジタル化が進む、としている。
なお、関西電力は、近畿地方を主要な事業地域として展開する公益事業者である。関西電力の火力発電部門は、規制領域から競争領域へと経営環境が大きく変化している。総括原価方式から脱却した競争力のある設備運用や、競争環境の中で迅速かつ柔軟に対応できる発電所運営を確立することを目標として掲げている。
SIを担当した関電システムズは、システム開発全体におけるプロジェクト管理と、パッケージ以外の機能開発を支援した。アクセンチュアは、本システムの企画立案から業務改革のコンサルティング、およびパッケージ導入全般を担当した。