富士ゼロックスは2020年11月24日、IT戦略の立案とその戦略に基づいたIT環境の導入から運用・管理までを支援する、中小企業向けITアウトソーシングサービス「IT Expert Service」を提供開始した。企業成長に向けたIT活用を促進する、アウトソーシングサービスを提供する。価格は、都度見積もり。
富士ゼロックスの「IT Expert Service」は、中小企業のIT戦略立案から運用・管理までを支援するサービスである(図1)。IT人材に投資することなく、ITを効果的に活用できるようになるとしている。IT戦略の立案と、IT戦略に基づいた運用を定期的にレビューし、改善を継続していくことで、最適なIT環境を提供し続ける。各業務のスキルを備えた担当を配置する。
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例えば、事業継続の観点では、柔軟な働き方の観点が必要になる。このためのIT戦略を立案し、計画的にIT環境を改善していく。これにより、テレワークのような環境変化が起こった場合でも、本来の業務に支障をきたすことなく速やかに対応できるようになる。
IT Expert Serviceの一機能である「Virtual CIO(Chief Information Officer)が、IT戦略を担当する。現状のシステム構成や運用ルールなど、IT戦略策定に必要な項目を網羅的に把握し、ユーザーのIT成熟度を評価する「IT成熟度レポート」を作成する。海外での実績を基にした知見やノウハウを活用したレポートを利用する。ユーザーの課題を明確化し、最新技術や業界のトレンドを考慮してIT戦略を立案する。
IT Expert Serviceの一機能である「Virtual IT Manager」が、IT戦略に基づいた日々の運用を担当する。IT環境を安定的に維持できるようにITシステムを運用および管理する。このほか、「Service Desk」は、日常的なITに関する問い合わせを担当する。「NOC(Network Operation Center)」は、ITインフラのメンテナンスとリモート監視・復旧を担当する。
サービスの提供にあたっては、富士ゼロックス傘下のITサービス事業者であるオーストラリアのCodeBlue Australiaがオセアニア地区で提供している中小企業向けITアウトソーシングサービスを活用する。
背景として同社は、中小企業において、情報システム部門の社員が1人しかいない、あるいは専任者を確保できない「ひとり情シス」が問題になっている状況を挙げる。障害発生時に復旧対応に追われ、本来の業務が停滞してしまうなど、ひとり情シスが抱える問題が深刻化しているという。