独立系ITコンサルティング/調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)は2020年12月8日、国内のCASB(Cloud Access Security Broker)運用監視サービス市場の規模、推移、予測を発表した。同社によると、2019年度のCASB運用監視サービス市場は、専任要員不足を背景に提供ベンダーが増加し、前年度の2倍強に成長したという。
アイ・ティ・アール(ITR)によると、CASB運用監視サービス市場の2019年度の売上金額は3億4000万円で、前年度の2.4倍の成長を遂げている(図1)。
近年、クラウドセキュリティ対策としてCASBが注目されている。導入により、クラウド利用時のデータ保護・可視化・コンプライアンス・脅威防御などを担保し、セキュリティリスクに対処できる。
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しかしながら、「専任要員の不足などから、自社ではCASBを運用しきれていない企業が多い」(ITR)のが実情という。そこでCASBソリューションを提供するベンダーの間では、CASB運用監視サービスをメニュー化し、セットで提案するケースが一般化しつつあるという。ITRの予測では、「同サービスの提供ベンダーは増加しており、本格的な市場形成が期待できる。2020年度は引き続き2倍以上の伸びによって7億円に達する」という。
今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート『ITR Market View:ゲートウェイ・セキュリティ対策型SOCサービス市場2020』に詳細を掲載している。同レポートには、ファイアウォール/UTM運用監視サービス、DDoS攻撃対策運用監視サービス、WAF運用監視サービス、メールセキュリティ運用監視サービスなど全9分野を対象に、国内27ベンダーへの調査に基づいた2018~2019年度売上げ実績および2024年度までの売上げ予測を掲載している。