AOSデータは2021年1月6日、情報漏洩や不正使用などPCの利用状況を調査するためのツール「AOS Fast Forensics」を販売開始した。PCのUSBポートに挿して利用するUSBメモリー型で、価格(税別)は年額20万円。
AOSデータの「AOS Fast Forensics」は、情報漏洩や不正使用などPCの利用状況を調査するためのUSBメモリー型ツールである(画面1)。デジタルフォレンジック調査(デジタルデータの解析技術や一連の手続き)の専門家でなくても、クライアントPCの操作履歴などを収集できる。
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AOSデータはこれまで、主に捜査機関向けに、クライアントPCやスマートフォンのフォレンジック調査ツールを提供してきた。今回販売を開始したAOS Fast Forensicsは、一般の民間企業でも利用できるように、簡単な操作ですぐに調査結果を収集できる機能に限定した製品にあたる。
テレワークにおけるクライアントPCの不正調査や、退職者が使っていたクライアントPCからの情報漏洩調査などの用途に利用できる。Webの閲覧履歴やUSB接続履歴などを収集できる。本格的なフォレンジック調査の前段階として、証拠を保全する「ディスク保全」機能も備える。
Web閲覧情報から不正な閲覧の有無を調べたり、ファイル閲覧履歴から「どのようなファイルを閲覧したか」などを調べられる。USB接続履歴からは、接続した時刻と機種名が分かる。イベントログからは、ログイン/ログオフ時刻が得られる。ファイルタイプ情報から「どのようなファイルが存在しているか」を調べられる。
製品提供の背景について同社は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、テレワークが急速に広まった一方で、会社が貸与したPCの不正使用や情報漏洩の懸念が増大している状況を挙げている。