日立産業制御ソリューションズは2021年3月9日、画像解析AIを用いて、特定エリアへの人の侵入や、長時間にわたる人の滞留、置き去りにされた荷物、などを検知する製品「インシデント検知ソリューション」を販売開始した。監視・警備員の初動対応を迅速化できる。2021年4月から提供する。価格は、個別見積もり。
インシデント検知ソリューションは、画像解析AIを用いて、特定エリアへの人の侵入や、長時間にわたる人の滞留、置き去りにされた荷物、急な走り出しや喧嘩などの人の異常行動、を検知する製品である。
警備員の目視や利用者からの通報によって把握していた情報を、防犯カメラ映像から自動で検知する。平常時には発生しない異常行動を自動で検知し、アラームを通知する。監視員は、インシデントを迅速に確認できる。
従来、異常行動を自動検知する場合、事前に検知対象となる異常行動を定義してAIに個別に学習させる必要があった。今回の製品では、平常時の映像を学習に使う。異常行動の映像を用意することなく、行動偏差を検知する技術を開発、採用している。
主な検知対象は4つある(表1)。
検知対象 | 概要 |
---|---|
侵入検知 | 特定のエリアに人物が侵入したことを検知 |
長時間滞留検知 | 特定のエリア内に一定時間以上滞留している人物を検知 |
置き去り荷物検知 | 一定時間以上置き去りにされた物を検知(スーツケース、バッグなど) |
異常行動検知 | 通常動作と比較し、行動偏差の大きな行動を異常行動として検知(急な走り出し、喧嘩=殴りかかるなど、しゃがみ込みの動作) |
別途、人物を発見・追跡するソフトウェア「IVSearch」と連携できる。これにより、全身の特徴を基にインシデントの対象となる人物を見つけ出し、移動経路の追跡や足取り調査まで、一連の監視・警備業務を迅速に行えるようになる。