[市場動向]
会津産業ネットワークフォーラム、全国の中小製造業に向けて共通業務システム基盤を提供
2021年4月9日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)
会津産業ネットワークフォーラム(本部:福島県会津若松市、以下ANF)、アクセンチュア、SAPジャパンの3組織は2021年4月9日、共同で共通業務システム基盤「コネクテッド マニファクチャリング エンタープライゼス(CMEs)」を構築し、提供を開始した。ANF会員である福島県会津地域の中小製造企業を皮切りに導入の検討が始まるほか、全国の中小製造業企業にも対象を順次拡大する。
会津産業ネットワークフォーラム(ANF)、アクセンチュア、SAPジャパンは、中小製造業企業に向けた共通業務システム基盤「CMEs」を構築し、提供を開始した。CMEsは、ERP(統合基幹業務システム)としてSAP S/4HANAを使っており、アクセンチュアの業務テンプレートを利用している(図1)。カスタマイズを最小限に抑えられる。ユーザー企業である中小製造業は、ANFと連携する各地域のSIベンダーの支援の下でCMEsを導入できる。
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CMEsを構築した背景として同社は、大企業を中心にデジタル変革が進む一方で、中小製造業は業務のデジタル化そのものが遅れている状況を挙げる。「これを解決するため、複数の中小企業でIT基盤を共有する仕組みを構築した。IT基盤の共有によって、業務のデジタル化を迅速かつ低コストで図れる。中小製造業においてIT基盤の導入が進み、生産性が向上する」(同社)
すでにCMEsを導入したユーザーもいる。ANFの会員企業であるマツモトプレシジョン(本社:福島県喜多方市)がCMEsを導入し、活用を開始している。
CMEsが提供するサービスは、4つのステージに分かれる。今回提供を開始した第1ステージでは、生産性の向上に向けて、各社に共通する業務領域(非競争領域)のIT基盤を共有化した形である。
今後は、イノベーションの創出などの競争領域にも機能を拡大させていく予定である。標準MES(製造実行システム)やMOM(製造オペレーション管理)の推進、製造工程におけるデジタル化の推進、機器間・工場間の接続による工場のオートメーション化、企業間連携の促進、などを図っていく。
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