サーバーワークスは2021年4月15日、金融業のユーザーに向けて、データベースサーバーをクラウドに移行する支援サービス「金融機関向けデータベースクラウド化支援サービス」を発表した。金融業に特化した6つのサービスで構成する。サービスの提供に合わせ、データベースの技術やノウハウにおいてインサイトテクノロジーと協業した。
金融機関向けデータベースクラウド化支援サービスは、金融業のユーザーに向けて、データベースサーバーをクラウドに移行する支援サービスである。金融業に特化した、表1に示す6つのサービスで構成する。
サービス名 | サービスの概要 |
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AWSへのデータベース移行サービス | AWSへのデータベースの移行、および異種データベース移行のアセスメント、移行計画策定から本番移行までの作業を実施する |
データマスキングソリューション提供サービス | 個人情報や機密情報を秘匿化するツール「Insight Data Masking」などのソフトウェアや組み込み機能を使って、データの安全性と秘匿性を向上させる |
データ暗号化ソリューション提供サービス | データの安全性の担保に必要な暗号化の方式を決定し、実装する |
データベース選定/設計サービス | データベースの専門家がユーザーの用途・ワークロードに適したデータベースを選定して設計する |
クラウドデータベースコスト削減コンサルティングサービス | オンプレミス環境からクラウドに移行することによるコスト削減効果を検証して提案する。すでにクラウドでデータベースを利用している企業にも提案する |
データベース監査ソリューション提供サービス | SOX法などの規制に準拠するために必要な、情報漏洩を防ぐツールを導入する。データベース監視ツール「PISO」などのソフトウェアや組み込み機能を使って課題を解決する |
サーバーワークスは従来、金融システムのクラウド化を支援する「金融クラウド導入コンサルティングサービス」を提供してきた。今回、データベースに関する6つのサービスを追加した。データベースの技術やノウハウにおいて、インサイトテクノロジーと協業している。
今回提供するサービスの1つ、データマスキングソリューション提供サービスでは、インサイトテクノロジーのデータマスキングツール「Insight Data Masking」などを利用する(関連記事:インサイトテクノロジー、データマスキングツール「Insight Data Masking」を販売)。
Insight Data Maskingは、個人情報などを含んだ本番データからテスト用データや分析用データを生成するデータマスキングソフトウェアである。データのユニーク性、参照性整合性などのデータの論理的特性と、データの種類・分布などのデータの統計的特性を維持したままデータを変換する。これにより、本番データと同等のマスキングデータを生成できる。
マスクするデータについては、住所、電話番号、名前など日本特有の使い方に重点を置いている。数字、英字、記号、日本語などの文字種別を自動判別するアルゴリズムや、電話番号やクレジットカードといった特定の書式を識別するアルゴリズムを搭載している。
今回提供するサービスの1つ、データベース監査ソリューション提供サービスでは、インサイトテクノロジーのデータベース監査ソフトウェア「PISO」などを活用する(関連記事:データベース監査ソフト「PISO」を年額制で提供、監査対象の基幹システムのクラウド化に対応)。
PISOは、データベース監査ソフトウェアである。「いつ誰がどのようなデータベース操作をしたのか」といった、内部統制上必要な情報を収集して分析する。これらの情報は、データベースのメモリー領域にあるトランザクションログや、データベースソフトウェアが備える監査機能を使って取得できる。