トヨタ自動車九州は、宮田工場(福岡県宮若市)において、補給部品の物流を量子コンピュータで改善するプロジェクトを開始した。リードタイム(商品やサービスの発注から納入までに要する時間)や生産性の改善を狙う。プロジェクトは、量子コンピュータのクラウドサービスを提供するグルーヴノーツとともに取り組む。グルーヴノーツが2021年4月26日に発表した。
トヨタ自動車九州の宮田工場は、レクサスブランドの5車種を生産する工場である。今回、補給部品の物流を量子コンピュータ技術を利用して改善するプロジェクトを開始する(図1)。補給部品は、顧客が購入した車両の保守や交換に用いる部品である。リードタイムや生産性の改善を狙う。
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「補給部品の物流計画策定では、部品の形状や重量が多様で、これらを適切に積み合わせることが難しい。さらに運行ダイヤや運行ルート、トラックの荷台寸法、配送タイミングや納期など各種の制約がある。これらの制約の下、物流計画を日々策定・変更しているのが現状である。これまでよりも短時間で精度の高い計画を策定できることが求められている」(グルーヴノーツ)
今回のプロジェクトでは、組み合わせ最適化問題を量子アニーリングマシンを使って高速に解くグルーヴノーツのクラウドサービス「MAGELLAN BLOCKS」を利用する。量子アニーリングは、積載率が最も高くなる積み付け方を導き出すのに長けており、これを活用して計画業務の自動化や、トラックへの積載計画(積付計画)の最適化に取り組むとしている。