経済産業省は2021年6月8日、東京証券取引所に上場している企業の中からデジタルトランスフォーメーション(DX)の実績にすぐれる企業を選定する「DX銘柄2021」の選定企業を発表した。DX銘柄2021の選定企業が28社、それに準ずる「DX注目企業」が20社となっている。選定企業の中でも特にすぐれた取り組みと評価した「DXグランプリ2021」には、日立製作所とSREホールディングスを選定した。
「DX銘柄」は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の実績にすぐれる企業を、東京証券取引所の上場企業の中から選定するプログラムである。経済産業省と東京証券取引所が共同で業種ごとに1~2社、合計20数社を選定している。経済産業省によると、DX銘柄に選定した企業は、デジタル技術を前提にビジネスモデルそのものの変革や経営の変革にチャレンジし続けている企業である。
同プログラムは、2015年より5回にわたって共同で実施してきた「攻めのIT経営銘柄」をリニューアルしたもので、前回の2020年度からDX銘柄への名称変更と共に、選定の仕組みを刷新している(関連記事:ポストコロナに向け、DXを先導するユーザーの着眼点は─「DX銘柄2020」選定企業の顔ぶれ)。
DX銘柄2021の選定にあたって、選定対象企業にアンケートを実施している。評価項目は、「経営ビジョン・ビジネスモデル」「戦略、戦略実現のための組織・制度等」「戦略実現のためのデジタル技術の活用・情報システム」「成果と重要な成果指標の共有」「ガバナンス」の5項目。選定の基準は、アンケート調査の回答とROEのスコアが一定基準以上であること、評価委員会において取り組みについて高い評価を得たこと、重大な法令違反などがないことである。
取り組みが優秀と評価した「DX銘柄2021」は28社
経産省と東証がDX銘柄2021に選定した企業は28社である。このうち、特に優れた取り組みを実施したと評価する銘柄「DXグランプリ2021」には、日立製作所(電気機器、証券コード6501)とSREホールディングス(不動産業、証券コード2980)の2社を選定した。
DXグランプリの2社を除くDX銘柄2021(26社、業種・証券コード順)は、以下のとおりである。
- 清水建設(建設業、証券コード:1803)
- アサヒグループホールディングス(食料品、証券コード:2502)
- 旭化成(化学、証券コード:3407)
- 中外製薬(医薬品、証券コード:4519)
- 出光興産(石油・石炭製品、証券コード:5019)
- ブリヂストン(ゴム製品、証券コード:5108)
- JFEホールディングス(鉄鋼、証券コード:5411)
- 小松製作所(機械、証券コード:6301)
- NEC(電気機器、証券コード:6701)
- ヤマハ発動機(輸送用機器、証券コード:7272)
- トプコン(精密機器、証券コード:7732)
- 凸版印刷(その他製品、証券コード:7911)
- JR東日本(陸運業、証券コード:9020)
- SGホールディングス(陸運業、証券コード:9143)
- 日本郵船(海運業、証券コード:9101)
- 日本航空(空運業、証券コード:9201)
- ソフトバンク(情報・通信業、証券コード:9434)
- トラスコ中山(卸売業、証券コード:9830)
- セブン&アイ・ホールディングス(小売業、証券コード:3382)
- 日本瓦斯(小売業、証券コード:8174)
- りそなホールディングス(銀行業、証券コード:8308)
- 東海東京フィナンシャル・ホールディングス(証券、商品先物取引業、証券コード:8616)
- MS&ADインシュランスグループホールディングス(保険業、証券コード:8725)
- 東京センチュリー(その他金融業、証券コード:8439)
- GA technologies(不動産業、証券コード:3491)
- ベネッセホールディングス(サービス業、証券コード:9783)
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