Amazon S3互換のクラウドストレージサービスを提供する米Wasabi Technologiesは2021年6月24日、日本法人「Wasabiテクノロジーズジャパン」(本社:東京都渋谷区)を設立したと発表した。アジア太平洋市場の中核拠点として活動する。加えて、海外を含む販売代理店を介して日本国内からのサービス提供拠点として、NTTコミュニケーションズのデータセンター(東京)に機材を設置する。このデータセンター設備は今後6カ月で大規模な拡張を予定している。
米Wasabi Technologiesは、Amazon S3互換のストレージサービス「Wasabi」を提供している。国内では、NTTコミュニケーションズの「SDPFクラウド」とNTTPCコミュニケーションズの「WebARENAがそれぞれのクラウド基盤を介してWasabiを販売している。今後、国内の販売代理店を拡充する予定である。
Wasabiの最大の特徴は、Amazon S3互換APIでアクセス可能なクラウド型オブジェクトストレージを、Amazon S3よりも安価に利用できることにある(図1)。Wasabiの料金は、1TBあたり月額6.99ドルで、同社では「Amazon S3よりも80%安い」としている。なお、Amazon S3の標準料金は、東京リージョンの場合、最初の50TBが1GBあたり月額0.025ドルで、1TB換算だと月額25ドルになる。
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Wasabiではまた、ストレージサービスに階層を設けず、Amazon S3よりもシンプルに使える点をアピールしている。低速・低価格なストレージや高速・高価格なストレージ、アーカイブ用ストレージなどを階層型で利用することなく、1種類のストレージサービスのみを提供。頻繁にアクセスする高速なストレージを安価に利用できるとしている。
使い勝手はAmzon S3と同等だとしている。ストレージサービスのAPIが互換で、管理コンソールがAmazon S3の管理コンソールに準じている。ストレージサービス事業を運営する事業者向けにも、マルチテナントの管理機能(管理コンソールおよび管理API)を提供する。
今回、APAC市場の中核拠点の位置づけで、日本法人のWasabiテクノロジーズジャパン(本社:東京都渋谷区)を設立した。加えて、Wasabiのストレージサービスを提供するデータセンター拠点として、NTTコミュニケーションズのデータセンター(東京)に機材を設置した。このデータセンター設備は今後6カ月で大規模な拡張を予定している。
データセンターのコロケーション先であるNTTコミュニケーションズは、以前からWasabiの販売代理店であり、NTTコミュニケーションズのクラウド基盤を介してWasabiのサービスを販売している。一方、Wasabiテクノロジーズジャパンが今回設置したデータセンター設備は、NTTコミュニケーションズのクラウドサービスとは独立したサービス基盤であり、海外の販売代理店を含めた販売代理店各社が販売するサービスの基盤となる。