[事例ニュース]
花王、販売店の巡回計画をAIで自動立案するシステムを稼働
2021年7月19日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
花王は2021年7月19日、販売店の巡回計画をAIを用いて自動で立案するシステムを稼働させたと発表した。これまで手作業で時間をかけて作成していた巡回計画を自動で生成できるようにした。AI製品として、日立製作所の「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」を導入した。
花王では、全国の販売店を巡回し、売場づくりを支援している。顧客(一般消費者)のニーズを反映した売場の提案、店舗改装の支援、新店舗の陳列などの活動を実施している。花王フィールドマーケティングに所属する約2000人の担当者(マーチャンダイザー)が、売場づくりを担当している。
これまで、販売店の巡回計画は、全国約60のエリアごとに、計画担当者が経験をもとに手作業で時間をかけて作成していた。販売店の要望や作業希望日、マーチャンダイザーの勤務予定と技術・適性、自宅や訪問先各店舗間の移動時間など、多岐にわたる制約条件を考慮して作成していた。
今回、計画業務のプロセスを定式化・デジタル化し、統一したルールでより最適な計画を自動的に立案できる情報システムを構築した(図1)。計画の立案に要する時間の削減と、店頭支援活動の能率化・業務平準化を目指した。花王は「年間数万時間を要していた計画業務を半減できる」と見込んでいる。
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アプリケーションとして、日立製作所の「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」を導入した。これまで多くの制約条件を考慮して時間をかけて作成していた計画の最適解を、高速に自動で導くことができるようになった。業務要件の変化に応じて追加で学習させたり、計画の履歴情報から特徴を学習させたりすることで、さらに適切な計画を作成できるようになる。