デロイト トーマツ ミック経済研究所は2021年7月19日、ERP(統合基幹業務システム)を中心とする基幹業務パッケージソフトウェア市場調査の概要を発表した。同市場は2025年問題にかかるERP刷新でクラウドシフトが継続的に拡大しており、2019~25年度まで年平均10.4%増で成長し、2025年度には3266億円市場になると予測している。
デロイト トーマツ ミック経済研究所は、ERP(統合基幹業務システム)を中心とする基幹業務パッケージソフトウェアの市場調査の概要を発表した。同日に発刊した『ワークスタイル多様化で拡大する基幹業務パッケージソフト(ERP)の市場展望【2021年度版】』の調査結果に基づいている。
同調査によると、ERP市場は、2025年問題にかかるERPの刷新需要から、クラウドシフトが継続的に拡大している(図1)。ERP市場全体の2020年度の出荷金額は2,000.8億円で、前年比107.8%だった。2021年度は、前年比114.7%の2,295.0億円と好調な伸びを見込む。2019~25年度まで年平均10.4%増で成長し、2025年度には3266億円市場になると予測している。
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今回の調査は、ITサービスベンダー4社とソフトウェアベンダー61社を対象に、企業規模に応じたERP市場4分野(大手、中堅、中規模、小規模)と、ERP関連市場4分野(会計事務所向け、連結会計、倉庫管理、保全管理)を調査した。各社の取材数値を積み上げ、2019年度から2021年度の基幹業務パッケージソフトの分野別市場規模と2025年度までの中期予測を行った。
大手向けERPは2025年問題からクラウドシフトが進行
ERP市場のうち、年商500億円以上の大手企業を対象としたERP製品は、2020年度、前年比105.4%の677.5億円だった。コロナ禍で一部プロジェクトの順延が発生したものの、2025年問題にかかるERP刷新を基調にクラウドシフトが進行し、堅調な伸びを維持した。2021年度は前年比110.7%の750.0億円と順調な伸びを予想している。
ユーザーのシステム投資に回復傾向が見られることや、2020年度前半、緊急事態宣言下でシステムの見直しを検討するユーザーが多いことなどを要因に、2020年度内に受注して翌2021年度に売上を計上する案件が着実に増えている。
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