NECネッツエスアイ(NESIC)は2021年8月26日、「侵入監視サービス」の提供を開始した。AI映像解析技術を用いて防犯カメラ映像を解析して人物の侵入を検知する。カメラの首振りやズームを自動制御することで、1つのシステムで広範囲を監視できる。販売目標として、同サービスを含む映像解析関連で2024年度に30億円を掲げる。
NECネッツエスアイの「侵入監視サービス」は、AI映像解析技術を用いて防犯カメラ映像を解析して人物の侵入を検知するシステムである(図1)。工事現場の資材置き場や重要施設などの監視に利用できる。特徴として、1つのシステムで広範囲を監視できることと、誤報が少ないことを挙げている。
拡大画像表示
画像認識の要素技術として、カメラ画角内の動くものを検知する「移動体検知」と、人の骨格を検知して確実に人と判断する「姿勢推定」の2つのAIを活用する。誤報を減らすとともに、光学ズームとデジタルズームで広範囲(約100メートルの範囲)をカバーする。
固定カメラだけを使う低価格版「Fixedモデル」と、固定カメラとPTZカメラを組み合わせた上位版「Fixed+PTZモデル」の2つのシステム形態を用意した。PTZカメラを使う場合、PTZカメラの首振りやズームを自動で制御し、対象の発見から追尾、発報までを全て自動で行い監視する。
固定カメラとPTZカメラを組み合わせて検出・判定・追尾
Fixed+PTZモデルでは、固定カメラが移動体を検知するとPTZカメラに連動する(図2)。PTZカメラは、パン/チルド(上下左右にカメラの向きを動かすこと)やズームアップを自動で行って人物を判別し、検知後は自動で追尾する。光学ズームアップしてから検知するので、誤報が少なく済む。
拡大画像表示
Fixedモデルでは、固定カメラ単体で人を判定する。移動体を検知すると、移動体を中心にデジタルズームで撮影画像を拡大し、人かどうかを判定する。固定カメラ単体でも、一般的な監視システムと比べて誤報の少ない監視ができるとしている。
NECネッツエスアイによると、従来の監視カメラは、監視エリアの死角をカバーするために、人による目視が必要なるなどの問題があったという。「また、動体検知カメラの精度が低いために、人でないものを人と誤検知するケースがあった。さらに、数メートルおきにカメラが必要になるなど、導入コストがかさんでいた」(同社)という。