TISは2021年8月30日、システム構築サービス「請求書支払業務自動化サービス」を発表した。経理部門の請求書支払プロセスを自動化するシステムを構築する。AI-OCRとRPAを組み合わせて実現する。TISが開発したRPAテンプレートを活用して構築する。価格(税別)は、ソフトウェアのライセンス料金を含まずに600万円から。販売目標は、今後3年間で30社。
TISの「請求書支払業務自動化サービス」は、経理部門の請求書支払プロセスを自動化するシステム構築サービスである(図1)。経理業務に特化したAI-OCR(光学文字認識)と、TISが開発した経理部門向けのRPA(ロボットによる業務自動化)テンプレートを組み合わせてシステムを構築する。
AI-OCRソフトウェアとして、ファーストアカウンティングの「Robota」を使う(図2)。特徴は、経理業務に特化している点である。経理業務で使う証憑書類の形式をあらかじめ学習しているため、事前に帳票の形式を定義することなく、項目の値を読み取れる。また、AIが読み取った値を自動で確認するロジックチェックなどの機能を備えており、データが正しいかどうかの確認を効率化できる。
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RPAソフトウェアとして、UiPathの「UiPath Platform」を使う。TISのノウハウを活用した経理業務向けのRPAテンプレートをAI-OCRに組み合わせることで、請求書支払プロセスを自動化する。経理向けRPAテンプレートは、AI-OCRの呼び出しや、AI-OCRの読み取り結果と申請内容の不一致検知、支払期限の遅延チェック、申請内容の不備確認、AI-OCRやRPAのみで判断できない場合の人へのエスカレーションなどの機能を組み込んでいる。
サービス提供の背景についてTISは、テレワークの普及や2022(令和4)年度からの電子帳簿保存法の要件の緩和、2023(令和5)年度に導入が始まるインボイス制度への対応など、経理業務を自動化するニーズの高まりを挙げる。「大企業では特に、請求書申請の内容入力から確認・承認の負荷が高く、自動化のニーズが高まっている」(同社)