SAPジャパンは2021年11月24日、ノーコード開発ツール「SAP AppGyver(アプガイバー)」を発表した。プログラミング経験がない業務ユーザーでもWeb/モバイルアプリケーションをノーコードで開発できる、市民開発を促すツールであるとしている。独SAPが買収したフィンランドのAppGyverの製品で、2021年11月16~18日に開催した開発者カンファレンス「SAP TechEd」で発表した。
SAPジャパンの「SAP AppGyver」は、Webアプリケーションやモバイルアプリケーションをノーコードで開発できるツールである。独SAPが買収したフィンランドのソフトウェアベンダー、AppGyverの製品で、プログラミング経験がない業務ユーザーでも開発に参加できる市民開発を促すツールであるとしている。。
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アプリケーション画面をドラッグ&ドロップで開発して、アプリのロジックも視覚的に構築することができる(画面1)。データへのアクセスとして、SAP OData APIや外部システムのREST API、ローカルのオフラインデータをサポートする。500以上の数式関数を備えており、計算、テキストの書式設定、リストやオブジェクトの操作、などに利用できる。
事例として、グローバル物流企業の独DHLの取り組みを紹介している。DHLは、AppGyverを使ってフリート管理のプロセスをデジタル化し、社員のオペレーションを効率化している。欧州全体の損害レポートの管理を効率化するため、AppGyverでモバイルアプリ(iOS/Android)を開発。DHLの担当者は、「開発したアプリのおかげでレポートの信頼性が高まり、現場スタッフの点検も楽になった」と評価している。
SAPジャパンは、このほか、SAP TechEdで発表されたAIの新機能を紹介している。「SAP Conversational AI」サービスでは、チャットボットを簡単に開発して監視できるようにした。これにより、タスクやワークフローを自動化しやすくなった。
また、ニューラルネットワークベースの新しいレコメンドエンジン「Personalized Recommendation」サービスの提供計画を明らかにしている。SAPジャパンは、多数のSAP製品・サービスでAIを活用できるようになったことをアピールしている。会社間の伝票突合の自動化、ワークフローでの推奨アクションの表示、ビジネス文書からのデータ抽出と加工、学習の提案などが可能になったという。
ほかには、無料で利用できるSAP Learningサイトの刷新についても言及している。エキスパートが指導するセッションやハンズオントレーニング、マイクロラーニング用ビデオまで、包括的な学習コンテンツを各種の形式で用意している。中等教育機関向けのAIカリキュラムや、SAPのクラウドサービスを大学や大学教授に提供するプログラムも新設した。サイトの刷新により、あらゆるレベルのSAP開発者が、重要な領域のスキルを簡単に習得および再学習できるようになったという。