[新製品・サービス]
エッジAI用途のPC「NEC Express5800 for MEC」、AI実行環境や運用管理ソフトをパッケージ化
2021年12月6日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)
NECは2021年12月6日、エッジAI用PC「NEC Express5800 for MEC」を発表した。同年12月8日から販売する。PCとAI基盤ミドルウェアを組み合わせて検証済みの構成で提供する垂直統合型のパッケージ製品である。映像AIなどのエッジにおけるAI処理を素早く実現できる。AIミドルウェアの種類に応じて3種類のパッケージを用意した。価格(税別)は、「AIコンテナ環境セット(NVIDIA EGX)」の場合で311万1900円から。販売目標として、2022年に年間で200セットを掲げる。
NECの「NEC Express5800 for MEC」は、エッジAI用途のPCシステム製品である。PCとAI基盤ミドルウェアを組み合わせ、検証済みの構成で提供する。運用管理ソフトウェアも組み込んでいる。必要なミドルウェアを一通りインストール済みで提供することによって、映像AIなどのようなエッジにおけるAI処理を、1から構築するよりも素早く導入できる(図1)。
拡大画像表示
AIミドルウェアの種類に応じて3種類のパッケージを用意した。Azure IoT Edgeを搭載した「AIコンテナ環境セット(Azure IoT Edge)」、NVIDIA EGXを搭載した「AIコンテナ環境セット(NVIDIA EGX)」、NECが開発した4つの映像AIアプリケーションを搭載した「AI対応ソリューションセット」である。
AIコンテナ環境セット(Azure IoT Edge)は、IoTエッジデバイス向けのコンテナ配信・実行環境であるAzure IoT Edgeが使えるパッケージシステムである。IoTデバイス用の専用ランタイム環境や、Dockerコンテナの管理・配信環境などを搭載している。Azureのサービス群をDockerコンテナの形でIoTデバイスに配信し、これをIoTデバイス上で実行できる。これにより、Azure(クラウド)とIoTデバイス(エッジコンピューティング)を連携させたIoT処理を実現できる。
AIコンテナ環境セット(Azure IoT Edge)の価格は、94万5200円から。2022年第1四半期(1~3月)に出荷を開始する。
AIコンテナ環境セット(NVIDIA EGX)は、IoTエッジデバイス向けのコンテナ実行環境であるNVIDIA EGXが使えるパッケージシステムである。アプリケーション配信基盤として「NEC System Orchestration」も搭載している。エッジでAIを高速に処理するハードウェアとして、NVIDIA T4 TensorコアGPUを搭載したラックマウント型のExpress5800サーバーを使う。今後は、他のGPUを搭載したモデルも拡充する予定である。
AIコンテナ環境セット(NVIDIA EGX)の価格は、311万1900円から。2021年12月8日に出荷を開始する。
AI対応ソリューションセットは、NECが開発した4つの映像AIアプリケーションを搭載したパッケージシステムである。(a)長時間居座り検知は、指定時間を超えて居座りしている人を発見できる。(b)不正侵入検知は、カメラに映りこんだ人物を発見できる。(c)人数カウントは、時間ごとに何人の人がいるかを把握できる。指定した時間以上いた人数も把握できる。(d)誤侵入検知は、人物が誤ってエリアに侵入した場合に発見できる。
AI対応ソリューションセットの価格は、215万2600円から。2021年12月8日に出荷を開始する。
いずれのパッケージシステムにも、運用管理ソフトウェア群をセット化している(図2)。ライフサイクル管理(システム運用の自動化・効率化)、コンテナアプリケーション管理(配付・更新/起動・停止)、運用監視(メッセージ監視・性能監視)などができる。
拡大画像表示