マクニカは2022年2月3日、産業用ベアボーンPC「EPC-R7200」(開発元:アドバンテック)の販売を開始した。NVIDIA Jetsonモジュール(Xavier NX、TX2 NX、Nano)とセットで販売する。これらの導入をワンストップで支援するサービスも、あわせて提供する。エッジAIコンピュータの開発期間が短くなるとしている。
EPC-R7200は、量産が可能な産業用ベアボーンPCである。GPUモジュールとI/Oオプションを選択できることから、複数ラインアップの試作機の開発を並行して進められる。試作機の構成をそのまま量産に移行することで、開発期間や開発費の削減が可能である。これらにより、エッジAIコンピュータの市場への投入を早められる。
拡大画像表示
NVIDIA Jetsonモジュール(Xavier NX、TX2 NX、Nano)を搭載できる(写真1)。ソフトウェア開発キット「NVIDIA JetPack SDK」で開発したアプリケーションが動作する。3種類のJetsonモジュールのいずれかをEPC-R7200に直接換装すると、ドライバのインストールや機能構成の設定なしにI/Oを利用できる。
EPC-R7200の動作温度範囲は摂氏-40~85度。電源はワイドレンジDC電源9~24V。耐振動性は3.0Grms 。筐体はアルミニウムで放熱性が高く、サイズは152×137×42mmである。
マクニカは、EPC-R7200の取り扱いを開始するとともに、国内正規代理店として取り扱うNVIDIA Jetsonモジュール(Xavier NX、TX2 NX、Nano)とのセット販売を開始した。また、これらの導入をワンストップで支援するサービスも、あわせて提供開始した。
サポートでは、障害発生時の原因切り分けなどの技術サポートや、NVIDIA Jetson上で動作するソフトウェア開発者キット(SDK)の導入支援など、必要な支援を一貫して提供する。要望に応じて、EPC-R7200にNVIDIA Jetsonモジュールを組み込みんで動作確認を済ませた状態で提供することも可能である。
販売の背景として同社は、カメラ映像をエッジAIコンピュータのGPUで推論させる使い方が増えている一方で、エッジAIコンピュータの開発期間が長くなることが課題になっていることを挙げる。「エッジAIコンピュータを開発する企業では、入出力I/Oの種類や画像処理性能への要求など多様化する市場のニーズに迅速に対応するため、複数のラインナップを同時並行で開発する必要があり、量産化までの開発期間が長期化する」(同社)。