ケイアイスター不動産(本社:埼玉県本庄市)は2022年5月30日、RPAとAI-OCRの活用成果を発表した。請求書処理の負担を約88%軽減したほか、契約管理における一人当たりの物件処理棟数が約76%向上した。同年2月から両技術への取り組みを始めている。
ケイアイスター不動産は、2020年2月からRPAとAI-OCRを活用している。現在、46個のソフトウェアロボットが稼働し、単票から一覧への転記や、一覧から単票への転記など、従来は人が手作業で行わざるをえなかった業務を自動化している。
導入開始から約1年5カ月で、約2万時間の工数を削減。2022年3月期は、2万3000時間以上の工数を削減した。2022年3月期の業績として、利益率は88.3%向上した。
購買部(分譲積算課)の活用例では、請求書処理の負担を約88%軽減している。月に約1200枚の請求書を基幹システムに登録する作業を、RPAとAI-OCRで自動化した。導入前は8.5人日を要していたが、これを1人日に短縮した(図1)。
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また、生産企画部(契約管理課)の活用例では、契約管理における1人当たりの物件処理棟数を約76%向上させた(図2)。物件の契約情報を基幹システムに登録する作業を、14個のRPAロボットとAI-OCRで自動化。人員を増やすことなく、毎年増える契約棟数に対応できるようになったという。
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2022年4月には、社内にIT/デジタル担当の従業員を集約した「デジタルセンター・オブ・エクセレンス」(DCE)を発足させた。RPA基盤を強固にしながら、各部署が寄せる業務自動化ニーズに広範かつ迅速に応えるとしている。
取り組みの背景として同社は、戸建分譲事業における管理データの情報量は膨大で、集計・分析に多大な労力がかかっていたことを挙げる。また、同社の販売棟数が増え続けており、伴って膨らむ業務量の効率化が課題だったという。