NTTデータは2022年6月29日、企業のESG経営を支援するコンサルティング/SIサービスを提供開始した。ServiceNowの「ESG Management」を活用し、サステナビリティの確立とEX(従業員体験)の向上を支援する。NTTデータは、ServiceNowで業界特化型の製品の拡大と、様々な企業や従業員のエクスペリエンス向上のビジネスを広げ、2025年度までに売り上げを500億円規模にすることを目指す。
NTTデータは、企業のESG経営を支援するコンサルティング/SIサービスを開始した。経営者、サステナビリティを推進する担当者、従業員は、同サービスのポータルサイトを通じて、ESG関連情報の収集から施策立案、プロジェクト管理までの業務を一元的に実行する。組織をまたがるシステム同士の情報を連携し、それらを統合的に可視化する機能などにより、ESGに関連する情報を収集し、リアルタイムに目標管理を行えるとしている(図1)。
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ServiceNowの「ESG Management」を活用する。NTTデータは、ESG ManagementとESG業務に関連するアプリケーションをセットで提供するとともに、導入に向けたコンサルティングからシステム構築までワンストップで提供する。
同社は、利用者の目線からEX(従業員体験)を高めていることをアピールする。社内に散在するESG関連のデータを収集し、1つのポータルサイトで閲覧でき、収集したデータから各ESG目標の進行状況をリアルタイムに可視化する。また、目標を管理するダッシュボード機能や、情報開示までの一連の業務フローをデジタル化するワークフロー機能などの機能を提供する。
コンサルティング/SIサービスとして、ユーザーの現状把握から提案、システム構築まで、ワンストップでサービスを提供する。最初にESGに関する独自のアセスメントによって、ESG関連業務の現状を可視化。その後、CO2排出量、紙使用量、リモートワーク率などの各種メトリクスの収集計画立案、改善施策の実行管理といった、ESG業務全般にわたるサービスを提供する。
アセスメントによって洗い出した重要課題に対し、必要となる機能のうち特に優先度の高いものをシステムに実装して有効性を確認する。最終的に、必要な機能を段階的に追加実装し、システムを構築する。
このほか、ESG業務に関連したアプリケーションを提供する。ESG Managementと、他のESG業務に関連するアプリケーションを連携させる。ESG関連業務を推進するうえで、統合化・全体最適化されたシステム構築が可能だとしている。
なお、NTTデータはカーボンニュートラル社会の実現に向け、グリーンイノベーション推進室を中心に自社の情報開示等の取り組みを進めている。ESG Managementについては、デジタルワークフローを生かして、社内外の多岐にわたる部門からのCO2算定データ収集業務を効率化し、データの一元管理を可能にするため実証導入を進めている。同社は以下のように取り組みの背景を説明している。
「昨今、企業に対するESGデータの開示要請が世界的に高まり、また、企業価値を非財務面から評価する手段として同データが活用されている。企業にとって法規制対応や投資促進、ブランディングに取り組むことと同様に、監査に対応するESGデータの開示は重要な経営課題となっている」(同社)
「また、企業には、認証・監査においてそのデータ収集や算出根拠の妥当性などを正確に説明することが今まで以上に求められている。一方、ESG推進に関してステークホルダーが増えることで状況管理が複雑化し、プロジェクトごとに異なるツールやデータベースを利用することで情報共有が困難になったり、データ不整合が生じたりするなどの問題も発生している。ESGデータを正確に開示するためには『システムのサイロ化』の解消も必要になる」(同社)