[市場動向]
SAP、自然言語処理検索/分析ツールの伊Askdataを買収
2022年8月9日(火)神 幸葉(IT Leaders編集部)
独SAPは2022年7月21日(ドイツ現地時間)、イタリアのソフトウェアベンダー、Askdataの買収を発表した。Askdataは、AIと自然言語処理技術を用いた検察/アナリティクスツールを提供するスタートアップ企業。SAPはAskdataの技術・製品を通じて、組織の意思決定を支援する。買収価格など財務的な詳細情報は非開示となっている。SAPジャパンが同年8月6日に紹介した。
Askdataは、AIを用いた自然言語処理技術に強みを持つイタリアのソフトウェアベンダーである。同社のツールでは、ユーザーは簡単な操作でデータやアプリケーションなどのソースに対して自然文で質問・対話し("Ask data")、求めていた情報や回答を得ることができる。複数言語に対応し、ユーザーごとにパーソナライズされた顧客体験(CX)を提供することを特徴としている(画面1)。
自然言語処理により、ビジネス上の文脈を保持したうえで有効な回答や潜在的なインサイトを提示する。「セルフサービス型BI/アナリティクスツールの操作を学ばなくても、データとの対話が容易に行える」(同社)ことをアピールしている。
SAPは、Askdataを買収して、その技術・製品を手中にすることで、組織が洞察に基づいた意思決定を行えるように支援する。SAPによると、AskdataのIP(知的財産)はS/4HANAのアプリケーション開発プラットフォーム「SAP Business Technology Platform」の一部となり、「SAP Analytics Cloud」において、ユーザーのライトな分析手段として提供される予定という。
SAPでSAP HANA Database & Analytics部門のプレジデント兼CPO(最高製品責任者)を務めるイルファン・カーン(Irfan Khan)氏は、「データアナリティクス市場は進化しており、ビジネスユーザー自身がデータドリブンな意思決定を行えるようにするには、シンプルに操作できることが不可欠。Askdataは幅広いユーザーに対応し、組織のアナリティクス導入の原動力となるだろう」と述べている。