[新製品・サービス]
Cloudflare、データ送信費用が発生しないS3互換クラウドストレージ「Cloudflare R2 Storage」
2022年9月22日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
CDN(Content Delivery Network)事業者の米Cloudflare(クラウドフレア)は2022年9月21日(米国現地時間)、クラウド型オブジェクトストレージサービス「Cloudflare R2 Storage」を提供開始した。特徴は、Amazon S3互換APIを備えたクラウドストレージを、クラウドから外部への下り通信(エグレス)料金なしで使えることである。
米Cloudflareの「Cloudflare R2 Storage」は、Amazon S3と互換性のあるクラウド型のオブジェクトストレージサービスである。Amazon S3やS3互換ストレージの代替ストレージとして利用可能である。
特徴は、保存済みのデータをクラウドから取り出す下り通信(エグレス〈egress〉)料金が不要なことである。データをどれだけ送信してもデータ送信に伴う料金が発生しない。
開発者がデータアクセス費用を気にせず使えるようにCloudflare R2 Storageを用意したという。Cloudflareの共同創設者兼CEOのマシュー・プリンス(Matthew Prince)氏はエグレス料金について、「開発者にとって税金のようなものであり、イノベーションと創造性の足枷でしかない」と批判しており、「Cloudflare R2 Storageにエグレス料金を課すことは永遠にない」と述べている。
エグレス料金を撤廃しただけでなく、ストレージの費用も抑えた。「Amazon S3標準より10%以上安い」とアピールしている。
なお、Cloudflare R2 Storageは、オープンベータ版の発表から8週間で、1万1000人以上の開発者がアカウントを登録した。今回、グローバルに一般公開した。
「Webサイトやアプリケーションの構築にあたってストレージが必要になる一方で、ほとんどのクラウド事業者は開発者がデータにアクセスする際にエグレス料を請求している。クラウドストレージは必要以上に高額になり、ベンダーロックインが発生し、開発者が保存したデータなのに簡単には使えない状況を引き起こしている」(同社)