ABBYYジャパンは2022年10月24日、ノーコードOCR開発ツール「ABBYY Vantage」に、オンライン本人確認(eKYC)機能「ABBYY Proof of Identity」を追加したと発表した。ユーザー登録申請などの場面において、身分証明書などの顔写真入りの本人確認書類をスマートフォンのカメラで撮影し、自撮りの顔画像と照合して本人による申請であることを確認する。
ABBYYジャパンの「ABBYY Vantage」は、OCR(光学文字認識)を用いて紙文書などをテキストデータ化するシステムをノーコードで開発できるツールである。本人確認書類や請求書など、OCRで読み取りたい対象ごとにOCRの定義を学習済みであり、これらの中から所望のOCR定義を選ぶことでOCR処理を実装する(関連記事:ABBYYジャパン、ノーコードOCR基盤「Vantage」を提供、学習済みのOCR定義や連携コネクタを用意)。
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学習済みのOCR定義を「スキル」と呼ぶ。RPAやCRM(顧客関係管理)などの外部システムと連携するためのコネクタを合わせて、100種類以上のスキルを用意している。スキルの例として、送金通知書、公共料金の請求書、銀行取引明細書、到着通知書、リース契約書、ID読み取りなどがある。これらの帳票をアップロードし、OCRでテキストデータ化し、CRMシステムにデータを登録といった一連の業務の流れを自動化する。
今回、ABBYY Vantageに、オンライン本人確認(eKYC)機能「ABBYY Proof of Identity」を追加した。ユーザー登録申請などの場面において、身分証明書などの顔写真入りの本人確認書類をスマートフォンのカメラで撮影し、これを自撮りの顔画像と照合することで、本人による申請であることを確認する。本人確認書類の券面イメージをOCRで読み取ったテキストデータを手入力することなく、自動でシステムにデータ連携可能である(図1)。
また、本人確認書類や自撮りの際に手振れを防ぐ撮影ガイド機能を備えている。撮影時のカメラ画面に赤枠が表示され、撮影画像が安定すると、赤枠が緑枠に変化し、自動で撮影が行われる。