[調査・レポート]

2021年度の電子契約サービス市場は前年度比56.1%増、今後も成長が続く─ITR

2022年10月28日(金)IT Leaders編集部

アイ・ティ・アール(ITR)は2022年10月27日、国内の電子契約サービス市場における規模の推移と予測を発表した。2021年度は前年度比56.1%増だった。不動産取引における完全電子化の法施行や自治体での導入の進展などにより、2022年度は同46.1%増を予測している。

 アイ・ティ・アール(ITR)の調査によると、国内の電子契約サービス市場の2021年度売上金額は157億2000万円、前年度比56.1%増だった。2022年度も同46.1%増と、引き続き高い伸びを見込んでいる。コロナ禍以降、業務の効率化などを目的に、電子契約サービスの導入が進んでいる(図1関連記事テレワークの普及で、2021年の国内電子契約サービス市場は前年比38.6%増─矢野経済研究所)。

図1:電子契約サービス市場規模推移および予測(2020~2026年度予測)(出典:アイ・ティ・アール)

 ITRは、この市場が今後も成長が続くとして、その要因のうち、2022年5月には、改正宅地建物取引業法の施行があり、不動産取引においても電子契約が可能になったことを挙げる。これを受け、不動産向けの電子契約サービスに特化したベンダーの参入が増え、不動産業での導入が急速に進んだ。また、自治体では本格導入に向けて実証実験を開始する動きが加速しているという。

 これらの要因を含めて同社が算出したCAGR(年平均成長率、2021~2026年度)は23.6%、2026年度には453億円に達する見込みという。「2023年10月から施行予定のインボイス制度を機に、電子請求へと移行が急速に進む。電子請求の普及にともない、電子契約サービスの導入はさらに加速する」(同社)。

 今回の発表は、ITRが発行する市場調査レポート「ITR Market View:リーガルテック市場2022」に基づいている。同レポートでは、リーガルリサーチ検索、特許リサーチ検索、AI契約書レビュー支援、CLM/契約管理、電子契約の全5サービスを対象に、国内34ベンダーへの調査による2020~2021年度の売上げ実績および2026年度までの売上げ予測を掲載している。

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