[事例ニュース]
ロイヤルホストや天丼てんやのロイヤルHD、天ぷら調理AIの開発に着手、衣の形や適切な揚げのタイミングを判定
2023年2月9日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)
「ロイヤルホスト」や「天丼てんや」などの外食事業を展開するロイヤルホールディングス(本社:福岡県福岡市)は2023年2月8日、天ぷらの衣の形状や適切な揚げのタイミングを判定可能な「天ぷら調理AI」を開発すると発表した。まずは必要なデータを収集する仕組みを構築し、このうえで調理AIを開発する。AI企業のエクサウィザーズとの協業で取り組む。
「ロイヤルホスト」「天丼てんや」「シズラー」「シェーキーズ」などの外食事業を展開するロイヤルホールディングス。同社は、天ぷらの衣の形状や適切な揚げタイミングを判定可能な「天ぷら調理AI」を開発する。まずは、分析用のデータを収集する仕組みを構築する。次に、収集したデータを解析し、調理AIを開発する(図1)。
ロイヤルHDによると、天ぷらを調理する工程では、調理音や油の温度などが毎回異なる。調理時には、食材の大きさや形によってこれら複数の要因を瞬時に判断している。こうした技術は従来のAIやロボット技術では再現が難しかったという。そこで今回、AI企業のエクサウィザーズと協業し、天ぷら調理AIの開発に取り組むことになった。
調理AIの開発に向けて、まずはデータ収集基盤を構築する。天ぷらの調理技術を可視化し、調理の自動化に必要なデータとプロセスを設計し、データを分析するうえで必要なセンサーや、取得すべきデータ形式を定義する。
天ぷら調理時のデータは、温度計、指向性マイク、カメラなどで収集する。こうして得たデータを、分析に適した形に前処理する。明示化されていない作業単位の切り出しなども行う。
第2段階として、温度、音声、動画像などのデータをもとに、複数のアルゴリズムを用い、美味しく見た目も良い天ぷら調理に寄与する度合いが高い因子を特定する。これをAIに学習させることで、衣の形状や適切な揚げタイミングの判定などが可能な調理AIを開発する。
エクサウィザーズは、AI基盤「exaBase」を基軸に、年間250件以上のAIプロジェクトを請け負っている。熟練技能を可視化して技術の継承を支援するサービス「exaBase スキルトランスファー」などを提供している。また、ロボット向けAIサービス「exaBase ロボティクス」では、盛り付けのデザインセンスをAIに学習させた「パンケーキ盛り付けAIロボット」の開発に成功している。今回の取り組みでは、これらの経験やノウハウを活用する。
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