東亜建設工業(本社:東京都新宿区)は、AIを活用したヘルプデスクシステムを全社に展開した。問い合わせ窓口を一元化し、対応効率を改善した。Q&Aの自動作成機能を活用し、業界特有の専門性の高いものを含め、約700件のQ&Aのセットを作成した。導入効果として、月間400時間程度の業務時間の削減を見込んでいる。「AIヘルプデスク for Microsoft Teams」を提供するPKSHA Workplaceの親会社PKSHA Technologyが2023年3月20日に発表した。
総合建設会社の東亜建設工業は、AIを活用したヘルプデスクシステムを全社に展開した。PKSHA Workplaceの「AIヘルプデスク for Microsoft Teams」を採用した(画面1)。
問い合わせ窓口を一元化し、対応効率を改善した。AIヘルプデスク for Microsoft Teamsに備わるQ&A(問い合わせと回答)の自動作成機能を活用し、業界特有の専門性の高いものを含めて約700件のQ&Aのセットを作成した。
FAQを作成した後、社内調整と通知を経て、2022年6月に9部署に導入した。7月からは全社約1500人に展開した。すでに社内で活用していたTeamsで使うことから、負荷なく活用できているという。問い合わせ窓口の一元化などにより、月間で400時間程度の業務削減を見込んでいる。社内での定着とともに、FAQのブラッシュアップも進めている。
東亜建設工業では、一般的な社内問い合わせに加えて、工法や素材、技術的な知識を要するものまで、建設業界ならではの専門的な問い合わせへの迅速な対応が求められていた。しかし、問い合わせ窓口は各部署の電話、メール、ポータルサイトなど複数にまたがっていた。問い合わせる側にとっては分かりにくく、対応側にとっては応対の負荷が大きいことが課題だったという。
問い合わせ対応を改善する手段として、問い合わせ自体の効率化に加えて、問い合わせに伴う業務の一部にRPAを適用する検討が進んでいた。AIヘルプデスク for Microsoft Teamsを採用するにあたっては、Teams上で使えることに加えて、RPAツールとの連携性の高さなどを評価した。