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日立システムズ、Azureを基盤として活用した経費管理システム「Traveler’sWAN」を販売
2023年4月27日(木)IT Leaders編集部
日立システムズは2023年4月26日、総合経費管理システム「Traveler’sWAN(トラベラーズワン)」を販売開始した。国内外出張手配から旅費・経費精算までを1つのシステムで管理可能である。Microsoft Azureを基盤として活用している。販売目標は、同システム全体で2024年度までに累計30億円。
日立システムズの「Traveler’sWAN」は、国内外出張手配から旅費・経費精算までを1つのシステムで管理できる総合経費管理システムである(図1)。日本企業特有の複雑な精算文化や独自の規程・ルールに柔軟に対応するとしている。Microsoft Azure上で稼働し、SaaS型/プライベートクラウド型のクラウドサービスとして、主に従業員数500人以上の企業向けに提供する。
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電子帳簿保存法改正や請求書払いなどに対応しており、企業が紙で保存していた領収書などの経費申請に必要な書類を、法的要件を満たした形で電子データとして保存できる。出張手配のシステムや各コーポレートカード、交通系ICカードの利用明細取り込みとも連携しており、出張に関わる経費処理を総合的に行える。
データのセキュリティやガバナンスにも注力している。Microsoft Azureのようなパブリッククラウドを使用しながら、運用・監視ノウハウを持つ「日立統合管制センター」を活用し、24時間365日体制で監視・運用する。また、クラウド基盤として使うMicrosoft Azureは、ISMAPに登録されているため、情報を厳格に取り扱えるとしている。
提供形態のうち、SaaS型のサービスは、旅費精算などの基本機能を、安価かつ短期間で導入可能だとしている。あらかじめ設定済みの各種パラメータのなかから、自社が必要とするパラメータを選択して運用可能である。
提供形態のうち、プライベートクラウド型のサービスは、SaaS型の機能に加えて、カスタマイズが可能である。日当手当てなどの規定の反映、個別条件による承認ルートの選択、公務員旅費法の反映など、旅費精算における企業・公共団体固有の制度や仕様を反映可能である。
背景として、2022年1月の電子帳簿保存法改正により、各種手続きを簡素化する見直しが行われ、経費精算処理の紙から電子化への移行を後押ししている。請求書払いについても、テレワークが普及しているほか、2023年10月にインボイス制度が施行されることから、企業は電子化への対応を迫られている。
「官公庁や地方公共団体、公的団体においても、働き方改革にともない、業務の効率化が求められる。経費申請に関連するクラウド化移行を検討する組織は少なくないが、『公務員旅費法など独自の法律を適用しなければならない』、『国内にデータセンターがあり、ISMAPに登録しているクラウドを利用する必要がある』などの制約があるため、利用できるサービスが限られる」(同社)。