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りそな銀行、RPAとローコード/ノーコード開発で年130万時間の業務を削減

2023年5月17日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

りそな銀行(本店:大阪府大阪市)およびりそなグループは、業務プロセスを改善するためにローコード/ノーコード開発ツールを導入した。インプリムの「Pleasanter」を導入し、これまで手作業だった業務を電子化したほか、RPAと連携して自動化も図った。多くの業務を電子化/自動化したことで、年間で41万時間の業務を削減した。インプリムが2023年5月17日に発表した。

 りそな銀行およびりそなグループは、業務プロセスを改善するため、ローコード/ノーコード開発ツールを活用している。手作業で実施していた業務を電子化しているほか、RPAと連携して自動化も図っている。多くの業務を電子化/自動化したことで、年間で41万時間の業務を削減したとしている。ローコード/ノーコード開発ツールにはインプリムの「Pleasanter(プリザンター)」を使っている。

 りそな銀行は、2017年6月にRPAを試行導入し、同年12月にりそなホールディングスのデジタル化推進部(現プロセス改革部)に「AI・RPA推進チーム」を設置。以来、りそなグループ全体でRPAの導入と活用を推進している。

 その後、RPAに加えてローコード/ノーコード開発を取り入れることで、業務量の削減時間は当初目標だった年間100万時間を超え、2023年2月に130万時間(650人分)を達成したとしている。このうち、ローコード/ノーコード開発が関係しているRPAシステムは160件あり、130万時間のうちの41万時間の削減に寄与しているという。

業務担当者みずからRPAロボットを内製

 同行の特徴は、業務部門みずからRPAを中心としたシステムを内製化していることである。外部ベンダーのSEが常駐し、業務部門の担当者にマンツーマンで教える体制を整備済み。月例会では、グループ各社・各部の新たな取り組みや成功事例の情報共有も図っている。現在、業務部門のRPA開発経験者は約400人になり、稼働中のRPAロボットは3000を超えている。

 RPAは、単純事務の自動化から着手し、AI-OCRやBPM(業務プロセス管理)ツールとの連携、ロボットアームとによる勘定系端末の操作など、各種の業務にRPAの利用を広げていった。RPAソフトウェアを使わずにExcel VBAで自動化を図る「内製化RPAツール」も開発し、グループ内に展開している。

 RPAでシステム間の連携を図る一方で、紙の回覧ベースのワークフロー業務など、そもそもシステム化されていないためにRPAと連携できない業務も多く残っていた。これらをシステム化するため、ローコード/ノーコード開発ツールを導入した経緯がある。

紙の回覧をローコード/ノーコード開発でシステム化

 ローコード/ノーコード開発ツールの最初の事例は、外国為替業務オフィスにおいて、未処理取引の管理簿として活用することである。外国への送金では、店名や口座番号、名前を誤って記載するなどのミスで、海外の銀行に入金できないケースが多々ある。これに対する処理の負荷を軽減するために、業務をシステム化した(図1)。同システムは2020年7月に稼働させた。同システムの導入したことで、時間に換算して年間で3200時間を削減した。

図1:紙のワークフローをシステム化した(出典:インプリム)
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 システムを導入する以前は、紙の回覧ベースのワークフローを実施していた。顧客や先方の銀行から事情を聴取し、交渉の経緯を紙の管理簿に記録して、事態が完了するまで繰り返し、上席、そのまた上の上席と、回覧して押印する作業を延々と行っていた。ローコード/ノーコード開発により、交渉記録を電子化した。以後、紙に押印する回覧が一切なくなった。

 2021年3月には、不渡・取引停止情報のWebデータベースを構築した。従来は、企業への融資や当座預金取引を開始する前に、不渡・取引停止処分者に該当するか否かの確認を、手形交換所に対してファクスで照会、回答を受信するという方法で行ってきた。照会件数に応じて料金支払いが発生するほか、照会から受信まで半日かかっていたという。

 この一方、手形交換所では、不渡・取引停止情報をCSVで提供するサービスも提供していることに着目し、Excel VBAで作成した内製化RPAツールを使い、CSVデータを毎日自動で取得して蓄積し、法人・個人名で検索すると取引停止処分者の該当の有無を確認できるツールを開発した。同システムによる効率化の効果は年間で7500時間になるとしている。

●Next:りそな銀行による直近のノーコード/ローコード開発事例

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